に引き続き、今回はその3
チンニング(懸垂)の紹介をしていきます。
チンニング(懸垂)は、
背中のトレーニング種目の中でも、「最も難易度の高い種目」とも言えますが、その分正しいフォームで行うことにより、背中全体の強化をすることができます。
特に、ベンチプレスの重量に対して「安定感が欲しい!」という方にオススメです
なぜ、チンニング(懸垂)を行うことが、ベンチプレスの安定感に繋がるのか?という理由を、正しいフォームと共に見ていきましょう!
〜目次〜
- ベンチプレスの安定感を出す為の背中を作る チンニング(懸垂)とは?
- チンニング(懸垂)の正しいフォームとやり方・ポイント
- チンニング(懸垂)⇨ベンチプレスへの還元
- ベンチプレスの重量を支え背中で安定感を生む補助種目 チンニング(懸垂)注意点・まとめ
ベンチプレスの安定感を出す為の背中を作る チンニング(懸垂)とは?
冒頭でも、「安定感に繋がる」と言いまいしたが、その安定感に繋がる理由をまずは見ていきます。
1 ベンチプレスの接地面は、背中(両肩や肩甲骨)・お尻・足
単純な理由ですが、接地面が広いと動作は安定します。
例えば、赤ちゃんは足を大きく広げて横に揺れながら歩きますよね。
これは、自分の体重(重量)に対して受ける筋力が足りない為、安定感を出そうと接地面を広げるためです。
ただ、これは「歩く」という動作の話ですが、
ベンチプレスにおいては、背中の筋力強化=背中の筋肥大=背中の面積(接地面)が広くなる
という、筋力も付き、背中の接地面も広くなるので、弱点を補うどころか、2乗に強化されていきます。
今回は、紹介しませんが、「スクワット」も非常に安定感を生むための強力な補助種目になります。
2 チンニング(懸垂)で行う肩甲骨の動きが、ベンチプレスの重量を受け、肩の怪我を防ぐ
チンニング(懸垂)とベンチプレスにおいて重要な動きが、肩甲骨の下方回旋になります。
この動きが上手く出来ないと、
チンニング(懸垂)では「腕で引き上げるため背中に効かず腕ばかり疲れる」
ベンチプレスでは「重さを受ける場所が肩甲骨では無く、肩、腕になってしまう」
ということになってしまいます。
こうなると、チンニング(懸垂)で背中を鍛える事が出来ず、
ベンチプレスでは、肩の怪我につながります。
なので、肩甲骨下方回旋の動作をうまく行える事が、背中の強化とベンチプレスの怪我予防の2つの効果を生み出します。
ベンチプレスの重さを受ける為の肩甲骨の役割はこちらに書いています。
*ラックアップとタイトルはありますが、重量を受けることについて共通の役割です
チンニング(懸垂)の正しいフォームとやり方・ポイント
スタートポジションとバーの握る位置
まずは、バーの握る手幅・握り方・肩の肢位は大きく分けて3種類となります。
この3種類が最も基本のチンニング(懸垂)で用いられる事が多いです。
「手幅」「握り方」「肩の肢位」となります。
握る手幅(握り方)肩の肢位
①ワイド(オーバーグリップ)肩内旋位
②ミドル(パラレルグリップ)肩中間位
③ナロー(アンダーグリップ)肩外旋位
となります。
その中で、②のパラレルグリップが最もオススメとなるのでその理由を説明していきます。
チンニング(懸垂) パラレルグリップで最も背中が強化される理由
背中全体の連動、肩甲骨の動きに大きく関与する
広背筋の動きは 肩(内旋・伸展) 肩甲骨(下方回旋・内転) です。
そして、注目してもらいたいのが、各グリップの肩の肢位です。
①のワイド(オーバーグリップ)肩内旋位
肩内旋位であるため、体が上っていく段階〜トップポジションのバーと体が近寄る時に、腕は体の横を通ります。
この動きのメインは、肩甲骨の内転となります。
そして、肩の肢位は内旋位であり、広背筋の作用も肩内旋となるため、強い収縮感は得られますが、最も重要な伸張(ストレッチ)の負荷が弱くなります。
*伸張(ストレッチ)の重要性は、後に説明
③ナロー(アンダーグリップ)肩外旋位
肩外旋位であるため、体が持ち上がって行く段階〜トップポジションのバーと体が近寄る時に、腕は体の前面を通ります。
この動きのメインは、肩関節の伸展となります。
そして、肩の肢位は外旋位なので、広背筋の収縮は弱くなりますが、強いストレッチ刺激を与える事が出来ます。
ただ、アンダーグリップの場合は、上腕二頭筋の力で体を持ち上げる事ができるので、チンニング(懸垂)が苦手な方にはオススメしません。
②ミドル(パラレルグリップ)肩中間位
肩中間位であるため、体が持ち上がって行く段階〜トップポジションで、腕が体の前面〜横に通るため(伸展+内転+下方回旋)
降りて行く段階で、腕が体の横から、前面を通るので、強いストレッチ刺激を与える事も出来ます。
アンダーグリップに比べ、上腕二頭筋を使いにくいため、より背中に効きやすくなります。
つまり、ミドル(パラレルグリップ)肩中間位は、すべての良いとこ取りをしているとも言えます!
これが、パラレルグリップをオススメする理由となります!
背中に効くチンニング(懸垂)の正しいフォームとポイント
まず、スタートポジション(ぶら下がった位置) で
最も重要な事が、肩甲骨の下方回旋を行う!という事です!
これをしないと、背中がうまく使えず腕で上げてしまうことになります。
左側:何もしていない状態
右側:肩甲骨下方回旋を行なっている状態
後ろから見ると、肩がすくんだ状態を無くし
横から見ると少し体が倒れ、肩甲骨が下がった位置が理想です。
少し胸を張るイメージをすると、やりやすいと思います!(胸椎の連動)
次に、体が上がって行く段階〜トップポジションに入ります!
この時も、肩がすくむことなく下方回旋をキープした状態で動作を行います。
そして、下降局面では、ゆっくりと自分の体重をコントロールしながら降りていきます。
これが、ストレッチ動作になり、特に背中の筋肥大を狙いたい方にも大事になりますが、日頃からベンチプレスを多く取り組んでいるには、より重要となります。
体が上がって行く段階では、必ず体が丸くならにようにします。
丸くなることで、肩が過度に内旋され、肩の関節の怪我につながります。
体が丸くなるのは大抵スタートポジションで、肩甲骨下方回旋が出来ていない事が多いです。
丸くならないためにも肩甲骨下方回旋は大切です!
どうしても、まだ チンニング(懸垂)は難しいという方は、初めはラットプルダウンで肩甲骨の下方回旋を行なってやるようにしましょう!
チンニング(懸垂)⇨ベンチプレスへの還元
チンニング(懸垂)とベンチプレスの共通動作
- 肩甲骨下方回旋の動き・キープ
- 体が丸くなると肩の怪我に繋がるので、胸椎の連動
の2点が非常に大事な共通動作となります!
この2つができると、劇的に肩の怪我を減らす事が出来ます!
ベンチプレスには無い、チンニング(懸垂)で伸ばせる強み
ベンチプレスの背中の使い方としては、基本的には下方回旋のみの一方通行の動きのみとなり、この一方向の動きを繰り返すことにより筋肉は硬く、動きが悪くなる可能性が非常に高くなります。
そのため、チンニング(懸垂)の降りて行く場面〜スタートポジションでは、
背中の筋肉が伸ばされているので、ベンチプレス時の一方通行の背中の動きで固まった部分に伸張がかかり、筋肉の硬化や動きが悪くなることを防いでくれます。
これが、ストレッチ刺激の大切なポイントになります。
それ以外にも肩甲骨下方回旋のキープ力向上により、ベンチプレス時の「肩上がり」「肩甲骨外転」「脇の開き」を防ぎ、怪我のリスクを減らします。
ベンチプレスの重量を支え背中で安定感を生む補助種目 チンニング(懸垂)注意点・まとめ
*注意点
- スタートポジションで必ず肩甲骨下方回旋を行う
- 動作中体は丸めない(肩の怪我に繋がる)
- 降りるときはゆっくり、下方回旋をなるべくキープ
- 慣れない間は、毎回スタートポジションでしっかりセットするように心がける
まとめ
以上が今回のチンニング(懸垂)の紹介になります!
今回は、パラレルグリップを推奨していますが、色々な刺激を与える事が大事なので、手幅やグリップを変えながら色々試してみてください!!
自重に慣れてくると、荷重で行うのも1つの方法です!!
レップ数は限界数まで、3〜4セット行うのがいいと思います!
*ただ、限界数は背中でできる限界数で、腕であげる限界ではないので注意してくださいね!
強い背中を作り、より安定したベンチプレスができるように頑張っていきましょう!
それでは、今日はここまで〜
次回、【ベンチプレス】握り方とコネる癖が原因!親指の付け根が痛い理由とは? お楽しみに〜