今回は「デクラインベンチプレス」の紹介をしていきます。
デクラインベンチプレス=大胸筋下部を鍛える種目
と色々なサイトの検索結果では出てきたりもしますが
「大胸筋下部を鍛えるためだけにやっているなら、やめたほうがいい」
と筆者は考えております。
その理由は「デクラインベンチプレスは、ベンチプレスのフォームをより良くするために行うのが良い」と考えているからです。
これから「ベンチプレス」のフォームが良くなる理論と実践方法について書いていきます。
「どうも最近ベンチプレスがうまくいかないな〜」
「なかなかフォームが定まらないなぁ〜」
といった方におすすめなので、ぜひ一度お試しください!!
〜目次〜
- デクラインベンチプレスとは?なぜベンチプレスのフォームが良くなる?
- その1 ベンチプレスにおける「軌道のコツと修正」
- その2 ベンチプレスにおける「タッチポイントのコツと修正」
- その3 ベンチプレスにおける「下半身が踏ん張れるフォームと力の伝達の感覚」
- 大胸筋下部を鍛えるなら「デクラインベンチプレス」をやらなくていい3つの理由
- 「デクラインベンチプレス」 まとめ
デクラインベンチプレスとは?なぜベンチプレスのフォームが良くなる?
まずは簡単に「デクラインベンチプレス」について説明します。
「デクライン」とは、傾斜のことを意味します。
画像のように、頭が下になるような傾斜のことを指します。
余談ですが、反対に頭が上になることを「インクライン」と呼びます。
”頭が下になる傾斜をつけてベンチプレスを行う”ことを「デクラインベンチプレス」といいます。
この「デクラインベンチプレス」を行うことで、ベンチプレスのフォームがよくなる理由は4つあります。
- 肩甲骨の自由度が上がる
- 肩の正しい動きがわかりやすい
- 嫌でも下半身が踏ん張れる
- 重量を落とす事が出来る
1〜3は後ほど詳しく紹介していきます。
4の重量を落とすことが出来る。
ということは非常に大事なポイントとなります。
多くの人が「フォーム修正」や「練習」をするなかで
「上手くいっているかわからないけど、とりあえずいつも通り重量を上げてみよう」となることが多いです。
あとは「軽いから満足感が足りない」なども、よく聞きます。
「デクラインベンチプレス」にすることで、普段のベンチプレスより扱える重量が落ちますし、傾斜がついている分慎重になれる。といった点もあります。
そして、せっかくのフォーム修正に高重量をはじめから当ててしまうと、意識する点やそのフィードバックが難しくなります。
なので、強制的に重量を軽くすることが出来るのは、良い点です!
まずは、基本のフォームと動作の流れから確認していきます。
基本的には、「肩−股関節−膝」を一直線で結ぶラインを作ります。
そしてそこで「胸椎を伸展」させると同時に、「肩甲骨下方回旋」をしましょう。
普段行うベンチプレスより「デクライン」のほうがポジションを作りやすいはずです。
その理由は、
「デクライン」の状態は、肩の上部がしっかりとベンチ台に触れているので、肩が浮きにくく、背中はほとんど接地していないため、肩甲骨がスムーズに動かせます。
これが、先程出てきた「肩甲骨の自由度が上がる」という意味です。
その1 ベンチプレスにおける「軌道のコツと修正」
それでは、本題のフォーム修正に活かす方法を詳しく解説していきます。
ベンチプレスにおいても、多く見られる「軌道のミス」が”スタートポジション〜ボトムポジションまで軌道が一直線”であることです。
こちらの記事にバーの正しい軌道と理論について書いています。
では、「デクラインベンチプレス」での矯正方法と、やってはいけない方法について書いていきます!
まずは画像で見ていきましょう。
ボトムポジション〜上側が正しい軌道ですね。
「大胸筋下部を鍛えるため」にデクラインベンチプレスをされている方は、下側が多いのではないでしょうか?
上側と下側の大きな差は、「肩の屈曲動作があるか・無いか」ということになります。
この「肩の屈曲」という動作は、様々な筋肉の働きが関与しますが、中でも大きく動員されるのが「大胸筋上部の働き」となります。
普通の「ベンチプレス」でもそうですが、「デクラインベンチプレス」でも、いかに「大胸筋上部を上手く使うか」が動きの連動に大切になってきます。
ベンチプレスで「大胸筋下部ばかりによく効く」 といった方は、この「軌道がずれている可能性がおおいにあり、また肩の怪我に繋がりやすいので気をつけてください!
体の角度や重さの動く方向から「デクラインベンチプレス」では、「タッチポイント〜バーの軌道」で、特に肩の屈曲が行いやすい状態になりますので、軌道修正におすすめです!
その2 ベンチプレスにおける「タッチポイントのコツと修正」
つぎに、タッチポイントについてです。
タッチポイントも以前の記事で詳しく書いているので、ご覧ください!
それでは、まずタッチポイントを見てみましょう。
*デクラインベンチプレスでは、傾斜がついているため、前腕とバーは一直線にはなりません。
上側が正しい画像です。
赤点線が「肩ー肘のライン」水色線が「タッチポイント」です。
下側は「肩ー肘」のラインが短く「脇が開いている」のがわかりますね。
「脇が開く」事により、「タッチポイント」が頭側にずれ肩に大きな負担がかかります。
「タッチポイント」の修正方法としては
自由度の上がった「肩甲骨の下方回旋」でバーをおろしていく!
といった意識でおろしてみましょう。
「肩甲骨の下方回旋」で下ろすことで、脇が開かず、綺麗にスムーズに「タッチポイント」まで持っていくことができます。
なので、イメージとしては
「肩甲骨の下方回旋でバーを下ろし、最後に肘を曲げる!」といったイメージでいいと思います。
慣れてくると一連の動作で出来るようになります!
また「目でバーを追う!」という方は、「デクラインベンチプレス」では”1番アーチに高い部分にめがけて下ろしていく”イメージもいいです!
これで、正しいタッチポイントの感覚を掴んでください!
その3 ベンチプレスにおける「下半身が踏ん張れるフォームと力の伝達の感覚」
ベンチプレスでは「下半身の力を伝える」ことが非常に大切になります。
下半身の役割については色々と記事を書きましたが「レッグドライブ」を含めこちらの記事に関連と共に詳しく書いています。
「デクラインベンチプレス」では、「ベンチプレス」と比較して、体の接地面が少なくなります。
特に、お尻が浮いている分、安定には「下半身全体での踏ん張り」がとても重要となります。
この「下半身・足裏全体で踏ん張っている感覚」を養うのにもってこいで「ベンチプレス」に活かすことができます。
それでは「下半身の使い方」を見て行きましょう。
上側:ボトムポジション
下側:ボトムからの切り返し
赤色が重心位置の流れになります。重量を体の中心近くで受け、返します。
この時に、水色の矢印方向が、踏ん張る力を入れる方向のイメージとなります。
この力の入れ方は「デクラインベンチプレス」ならではですが、とてもいい足の反発を得れると思います。
注意点としては「必ずお尻が真上に上がる方向に足の力を入れない」ことです!
これをしてしまうと、腰を痛める原因となりますので気をつけてください!
少しつま先を外に向けると、臀筋に力がはいりやすくなるので、おすすめです!
必ず、足裏全体で踏ん張りましょう!
(荷重が分散すると足を攣ることがあります・・・)
大胸筋下部を鍛えるなら「デクラインベンチプレス」をやらなくていい3つの理由
まとめの前に冒頭でも述べた、大胸筋下部を鍛えるなら「デクラインベンチプレス」をやらないほうがいい!について書いていきます。
その1 「動作の安定感に欠ける」
まずは、先程も出てきましたが「ベンチプレス」と比べて接地面が少ないことです。
接地面が少ないということは、動作に安定が無くなりやすく、その状態で「デクラインベンチプレス」で高重量を扱うと非常に危険になります。(ミッドレンジ種目のため高重量を用いる方が多い)
その2 「大胸筋下部ばかり狙うと軌道がずれ、腰の負担増」
「軌道」の時にでてきた画像ですが、下側の赤線方向に押すと、確かに「大胸筋下部」は刺激されます。
ただ、この方向に押すことにより、お尻も同じ方向に上がりやすく「腰部」に大きな負担がかかる可能性が高くなります。
その3 「代替え種目」が非常に多く存在する
不安定化で「デクラインベンチプレス」を行わなくとも、他にも色々なトレーニング種目があります。
以前記事で紹介した「ディップス」も荷重で高負荷を扱える素晴らしい種目です。
そのほかにも、「ダンベルプルオーバー」などを行うことで、ベンチプレスで硬まった胸筋をストレッチをかけると同時に「胸郭」「胸椎の連動」も上げることができます。
「ケーブルフライ」なども大きな可動域を取ることが出来るので、怪我予防にもとてもいいです。
などなど、代わりがいくらでもあるので、あえて「デクラインベンチプレス」をする必要はありません。
むしろ「ベンチプレス」を好んで行うなら、より一層他の動きを入れてあげたほうが体の状態は良くなります。
「デクラインベンチプレス」 まとめ
ここまでパートに分けて見てきましたが、最後に通しで「良い例〜ミス例」を見てみましょう!
40秒ほどの動画です!
- 「軌道」は一直線にならず、「バーの正しい動き」と「肩の屈曲」を意識
- 「タッチポイント」は「肩甲骨の下方回旋」をうまく使い、脇が開かないように
- 「下半身の踏ん張り」は「足裏全体」で踏ん張り、お尻を間違った方向に上げない
が、まとめになります!
もし最近「ベンチプレス」がうまくいかないなら、一度「デクラインベンチプレス」で感覚を掴む練習をしてみてください!
なにか「パッと」ひらめくものや、「良い感覚」が残るかと思います!
それでは今日はここまで〜