”前捻角”から考えるスクワットフォーム!骨格に合う足幅・足の向きとは?

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今回は「前捻角(ぜんねんかく)から考えるスクワットフォーム」について解説していきます。

 

スクワットで自分に合わないフォームを続けていると、

・股関節や膝に痛みが出る

・腰に過度な負担が掛かる

・深くしゃがめない

などの問題が出てきます。

 

ですが、スクワットフォームにおいて、

・適切な足幅(スタンス)

・適切な足の向き

を知ることにより、改善する可能性があります。

 

その改善策の1つとして、「自分自身の前捻角」を理解することが、適切な足幅や、足の向きを選択できるきっかけにもなります。

 

では、

・前捻角とは何か?

・自分の前捻角を知る方法

・前捻角とスクワットフォームの関係

について見ていきましょう。

 

*「前捻角」のみの視点で、他の要素(大腿骨の長さ、頚体角など)は含みませんので、あくまでも参考程度に考えてください。

 

 

スクワットフォームに関係する 「前捻角」とは?

「前捻角」は、股関節を構成する骨盤と大腿骨を上からみた角度です。

先に画像を見てみます(見やすいよう片側の腸骨を外しています)

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「前捻角」は、大腿骨頭と大腿骨の中心の線と、地面からの水平の線を用いて角度を見ることが出来ます。

前捻角は10~15°程度あり、「正常な股関節は前に捻れている」状態です。

 

ですが、スクワットにも大きく影響がでる「前捻角が正常ではない例」が

・過度前捻(かどぜんねん)

・後捻(こうねん)

の大きくわけて2パターンあります。

では、ぞれぞれを見ていきましょう。

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このような形で、3種類に分かれ

前捻角が15°以上を「過度前捻」

前捻角が10°以下を「後捻」

と呼びます。

 

では、

・正常な前捻角

・過度前捻

・後捻

この3つがスクワットに与える影響を見る前に、

「自分の前捻角を調べる検査」を行なっていきましょう。

   

前捻角を調べる検査方法 グレイグテスト

前捻角を調べる方法として「グレイグテスト」を用います。

方法としては簡単なのですが、「大転子」を触れないと検査することが出来ませんので、大転子の位置を確認していきましょう。 

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大転子は、大腿骨の外側に出っ張っている部分です。
画像の位置を目安に太ももの外側を触ると、骨を触ることが出来ると思います。

その骨が「大転子」です。

 

では、グレイグテストのやり方を見ていきましょう。

①うつ伏せで寝て、膝を90°曲げます。

②股関節を内旋します。

③大転子が最も膨隆する股関節の内旋角度が、自身の「前捻角」です。

*膨隆=皮膚下から盛り上がってくる場所

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正常な前捻角=内旋10〜15°で、大転子が最も膨隆

過度前捻=内旋15°以上で、大転子が最も膨隆

後捻=内旋10°以下で、大転子が最も膨隆

 

二人一組で出来るのがベストですが、一人でも大転子を触れながら出来ます。

なるべく力を抜くことがポイントです。 

おおよその前捻角を把握できたところで、次は

「前捻角から見るスクワットフォーム」について見ていきましょう。

   

前捻角から考えるスクワットフォーム 正常な前捻角

正直、この場合は正常なので前捻角には左右されません。

 

なので、他の要素の部分(骨格のバランス、柔軟性など)に左右されやすいので

こちらの記事などを参考にしてもらうのが良いです。

 

 

前捻角から考えるスクワットフォーム 過度前捻

では、グレイグテストで出た結果で、

「過度前捻のスクワットフォームに」ついて解説していきます。

 

結論から言いますと、

「ナロースタンス(狭めの足幅)」+「足はやや外向き」

が、適していると考えられます。

その3つの理由を見ていきましょう。

 

①足を真っ直ぐ前に向けた状態「正常=股関節中間位」「過度前捻=外旋位」

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②外旋を強くすることで、股関節後面のスペースがなくなる 

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 ③過度前捻は、股関節の安定感に欠ける

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 以上の、

①足を真っ直ぐ前に向けた状態「正常=股関節中間位」「過度前捻=外旋位」

②外旋を強くすることで、股関節後面のスペースがなくなる 

 ③過度前捻は、股関節の安定感に欠ける

3つの理由を含め解説していきます。

 

・ナロースタンスにする理由

過度前捻は、元々の位置が外旋位であるため「ワイドスタンス」にすると、更に外旋が強くなってしまいます。

外旋を受け入れる股関節後面のスペースが少ないので、外旋を強くすることがで股関節後面に痛みが出る可能性も高くなります。

 

もう1つの特徴は、

過度前捻は股関節の安定性が低いため、「内旋」させ関節の接地面を増やそうとする傾向があります。

なので、強く外旋をすることが「安定感を失う助長」になり、インピンジメントを起こす原因にもなります。

 

・足の向きはまっすぐか、やや外向き

足の向きは外に向けると、股関節外旋方向に動かしやすくなります。

上記にある通り、外旋を強める必要はほとんどないので

足の向きはまっすぐか、やや外向きで構いません。

 

過度前捻スクワット まとめ

スクワット動作において、「股関節外旋」 はとても重要な動きですが、過度前捻においては強く意識する必要は無いと思います。

自然に股関節が外旋傾向にあるので、

「膝を軽く開いて、お尻を真下に落とす」くらいのイメージをもつと良いきっかけになるかもしれません。

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前捻角から考えるスクワットフォーム 後捻

グレイグテストの結果で、

「後捻からみたスクワットフォーム」について解説していきます。

こちらも先に結論から言いますと、

「ややワイドスタンス」+「足は外向き」

が適していると考えられます。

その3つの理由を見ていきましょう。

 

①足を真っ直ぐ前に向けた状態「正常=股関節中間位」「後捻=内旋位」

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 ②股関節の屈曲の動きで2種類のインピンジメントを起こしやすい

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 ③関節のハマりが良いが、スクワットには不利

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以上の、

①足を真っ直ぐ前に向けた状態「正常=股関節中間位」「後捻=内旋位」

 ②股関節の屈曲の動きで2種類のインピンジメントを起こしやすい

 ③関節のハマりが良いが、スクワットには不利

 3つの理由を含め解説していきます。

 

・ややワイドスタンスの理由

後捻の場合、中間位は「内旋」となるため、わざと外旋位に誘導するように「ややワイドスタンス」と「足外向き」で構えます。

「やや」の理由は、後捻はしゃがんだときに”ニーイン”しやすいので、バランスを取るために「やや」を選択しています。

 

・足が外向きの理由

外向きといっても30~45°程度です。

股関節の屈曲動作に対して、外旋を誘導しないとインピンジメントの原因になります。

なので、自然に外旋できるよう外向きがおすすめです。

 

後捻スクワット まとめ

スクワットの基本動作における「股関節屈曲+外旋」の意識がとても大切になります。

しっかりと、膝を開いてしゃがまないとインピンジメントや股関節痛に元になり、

後捻のためニーインもしやすいので、膝にも注意が必要になります。

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前捻角から考えるスクワットフォーム まとめ

以上が「前捻角から考えるスクワットフォーム」になります。

もちろん、前捻角がフォームを決めるすべてではありませが、少し参考に知識を持っておくのは必要だと思います。

 

今回は、角度のみで考えていますが、

過度前捻や、後捻は特に臀部の筋緊張が強くなります。

なので、フォームの見直しと共に、ストレッチやモビライゼーションを取り組むことをオススメします。

こちらのストレッチなどがオススメです。

それでは今日はここまで〜 次回おたのしみに!