”頚体角”から考えるスクワットフォーム!骨格に合うスタンスはナロー?ワイド?

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今回は「頚体角(けいたいかく)から考えるスクワットフォーム」について解説していきます。

 

前回の「前捻角から考えるスクワットフォーム」と同じで、

「大腿骨の頚体角には大きな個人差」があります。

 

頚体角によっては、スクワットで

・ニーインしやすい

・ワイドスクワットに向かない

・股関節に詰まり・痛みが出やすい

などがあります。

 

頚体角を知ることで、スクワット前に

・入念にアップする場所

・緊張が強くなりやすい筋肉

・動きが悪くなりやすい部分

を見つけるきっかけになるかも知れません。

 

それでは、

「頚体角とスクワットの関係性」について見ていきましょう。

 

 

スクワットフォームに関係する 頚体角とは?

「頚体角」とは、”大腿骨軸”と”大腿骨頚部軸”から測ることが出来る角度です。

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 頚体角は「正常で約130°」で、

”股関節が安定して自由に運動できる”ように、骨盤から大腿骨を外側に位置させる役割があります。

 

頚体角にも個人差があり、

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正常130°より角度の大きいのを「外反股」

正常130°より角度の小さいものを「内反股」

と言います。

*画像はフリーハンドなので多少のズレがあります。

 

では、「自分の頚体角がどちらであるのか?」

と調べる方法はレントゲンなどでしかはっきりとわかりません。

 

ですが、「頚体角が正常では無い例」は、主に2種類の代償を使い「股関節の安定性を高める」動きを取ります。

 

その2種類の方法が

・見かけ上の頚体角を正常に近づける

・骨盤の前傾・後傾で安定させようとする

になります。

 

代償の傾向から「自分の頚体角」をある程度の推測はできる可能性があります。

では、その2種類の代償動作について見ていきましょう。

   

頚体角を正常に近づける代償動作 

外反股、内反股は「股関節のはまり」を良くするために代償運動があり、

「外反股」は、股関節”外転”

「内反股」は、股関節”内転”

とし、「見かけ上の頚体角」を正常に近づけ股関節の安定性をあげようとします。

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この代償動作の目的は、

股関節の骨頭と臼蓋(きゅうがい)のはまりを良くするためです。

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はまりが浅いと安定感を失いやすく

はまりが深いと可動域をとれません。

 

このような代償動作をとる場合は、

内反股では「大転子の主張」が強くなり、大腿外側に張り出します。

プラス要素で、前回記事のグレイグテストで「後捻」と出た方は、より一層「大転子の主張」が強く見られます。

 

これが1つの目の推測ポイントとなります。

   

 骨盤の前傾・後傾による代償動作

 「骨盤の代償動作」も先程同様、

股関節の骨頭と臼蓋のはまりを良くするためです。

ですが、同じ「はまり」でも

骨盤が代償する場合は、「臼蓋が骨頭に対して被さっている部分のはまり」になります。

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この上の部分の被さりは、

外反股=被さりが浅いため、骨盤前傾で代償

内反股=被さりが深いため、骨盤後傾で代償

することが多く見られます。

 

では、自分の骨盤はどちらなのか調べてみましょう。

まずは、立った上体で

上前腸骨棘(骨盤の前側の出っ張っている骨)

上後腸骨棘(お尻の割れ目の斜め上)

を確認します。

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そしてその位置を指で押さえながら、横から写真を撮りましょう。

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そこで、

上前腸骨棘と上後腸骨棘の感覚が、

指2~2.5本なら骨盤は中間位

・指2.5本以上で「骨盤前傾」

・指2本以下で「骨盤後傾」

が見られます。

 

もちろん骨盤は、頚体角のみではなく、他の部分の影響を大きく受けますが、

外反股=骨盤前傾

内反股=骨盤後傾

の傾向になりやすいので、これも推測のポイントとなります。

 

では、実際に外反股、内反股とスクワットフォームの関係を見ていきましょう。

   

頚体角から考えるスクワットフォーム

結論から言いますと、

スクワットは外反股のほう相性が良く、内反股は苦労します。 

ではその理由について解説していきます。

 

外反股のスクワットフォームとスタンス

「外反股」は、基本的に「股関節のはまりが浅い」ですが、股関節の可動域を大きく取りやすくなります。

スタンスもナロー・ワイドどちらでも対応可能になります。

なので、自分の好みのスタンスや他の制限因子を見て判断するのもいいかと思います。

 

外反股のデメリットとして、

「大きな可動域が仇になる」ことがあります。

肩関節と同じで、可動域の大きい関節は「安定性」と、

インナーマッスルの持つ作用の「求心性」が大切になります。

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安定感が失われると股関節の痛みの原因になったり、殿筋が上手く働かないと、「大腿筋膜張筋」の筋活動が大きくなり、ニーインの原因や腸脛靭帯に痛みが出ることもあります。

 

なので、ウォーミングアップでは

「殿筋」や「外旋六筋」などを十分に刺激してあげてから、スクワットのトレーニングを行うのが良いです。

 こちらの記事にある「チューブエクササイズ」や「ゴブレットスクワット」を取り入れることをオススメします。

 

 

内反股のスクワットフォームとスタンス

次は、少しやっかいな内反股の解説をしていきます。

内反股のほとんどの場合「ワイドスタンス」は適していません。

その理由は、

股関節の可動域が大きく取りにくいこともありますが、形状的にもかなり厳しい問題を抱えています。

図でみましょう。

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インピンジメントなどで痛みが出やすくなったり、他の箇所が可動域を代償することで負担が大きく掛かります。

 

なのでスタンスは、

・ナロースタンス〜ややワイドスタンス

の選択肢が多くなります。

 

内反股は、股関節の可動域が取りにくい分、筋肉の柔軟性はかなり重要になっていきます。

股関節の前側の詰まりや、痛みも出やすくなるので、ウォーミングアップで入念に動きをつけるようにしましょう。

こちらの記事にある「ストレッチ」や「バンドエクササイズ」が非常に有効になります。

 

頚体角から考えるスクワットフォーム スタンス まとめ

以上が「頚体角から見るスクワットフォーム」についてです。

「外反股」には、安定性

「内反股」には、柔軟性

が大切です。

 

スクワットフォームにおいては、

前回もいいましたがもちろん「頚体角が全て」ではありません。

ですが、知っておくことで損はしませんし、何かのきっかけで病院でレントゲンを撮ってもらうことがあれば、良いスクワットへのヒントになります。

 

今回の記事で、

「骨格から見るスクワットフォーム」は4つになりました。

この4つの内容を組み合わせることで、

・自分の骨格タイプ

・自分の骨格に合いそうなスクワット

を、見つけるきっかけになるかも知れませんので、是非過去の「骨格から考えるスクワットフォーム」をチェックしてみてください。

 

それでは今日はここまで!次回、お楽しみに!