今回は「股関節インピンジメントを解消する腸腰筋ストレッチ」について紹介していきます。
これまでに
について、いくつか解説しました。
股関節インピンジメントを起こす原因はたくさんありますが「腸腰筋の硬さ」も大きな原因となります。
そして、
「間違った腸腰筋のストレッチ」 をしてしまうことが、更にインピンジメントを強めます。
なぜ、広く一般にに行われている、この腸腰筋ストレッチがダメなのでしょうか?
その理由を
・腸腰筋とインピンジメントの関係
・腸腰筋の正しいストレッチ方法
と共に解説していきます。
腸腰筋と股関節インピンジメントの関係
「腸腰筋」が股関節インピンジメントを起こす原因として主に、
・腸腰筋自体が挟み込まれる
・腸腰筋の機能低下や硬さで、股関節の動きの邪魔をする
の2点があります。
まずはその2点をみていきましょう。
このように「直接挟み込まれたり」、「周りの状態を変化させインピンジメントに繋がる」状態になります。
「直接挟み込まれる」ことに対しては「スクワットフォームの見直し」で改善することもあります。
こちらの記事を参考にしてください。
スクワットの骨格動作
ですが「腸腰筋の硬さ」で骨盤や、股関節の運動に悪影響がある場合は「硬さの改善」が必要になります。
「硬さを改善するためのストレッチ」 を紹介する前に、
「冒頭で紹介した形のストレッチが間違っている理由」を解説します。
間違ったストレッチが与える 股関節への悪影響
「冒頭のストレッチが間違っている」の一番の理由が、
「股関節前方の関節包にストレッチをかけてしまっている」ことです。
通常、骨頭が前に押し出されるのを止めるのは、股関節前方の「関節包」や「靭帯」の役割で、その役割を保つためには「硬くも柔らかくもない適度な状態」である必要があります。
ですが、股関節インピンジメントを起こしている多くの方が、 「前方関節包が緩く、インピンジメントを起こしやすい状態」になっています。
股関節前方の関節包が緩くなると、骨頭が前に押し出されます。
そして「押し出された骨頭が腸腰筋を挟みこむ」原因になり、インピンジメントを起こします。
さらに「間違ったストレッチ」で関節包も緩めることで、より骨頭が前に押し出されやすい状態になってしまいます。
なので、インピンジメントを防ぐ目的としては、
・股関節前面の関節包にはストレッチしない
・腸腰筋に対して動きを改善するためストレッチをする
の2つのポイントが重要です。
では、その2つのポイントを押さえたストレッチ方法を紹介します。
股関節インピンジメントを解消する 腸腰筋のストレッチ
では「腸腰筋の選択的ストレッチ」と「関節包を含むストレッチ」の比較を見てみます。
下の状態が「間違ったストレッチ」になります。
「なぜ関節包を含んでしまうのか?」について、「膝の位置」と「骨盤」から見ていきましょう。
このように「膝の位置」と「骨盤」で大きく効果が変わってしまいます。
では、「腸腰筋を選択的にストレッチする方法」のポイントを解説していきます。
このように「体幹部」と「殿部」に力をいれることで、骨盤が後傾し「腸腰筋」のストレッチ効果が高まります。
後傾といっても大げさにする必要はなく、殿部と体幹部に力を入れたときの自然な動きで良いです。
この状態で、股関節前面に伸びている感覚があれば、
関節包ではなく、腸腰筋を選択的にストレッチ出来ています。
20秒2-3セット行いましょう!
股関節インピンジメントと腸腰筋の正しいストレッチ まとめ
ストレッチも「伸ばす」だけではなく「なぜ」の意味をもたせることが大切です。
目的によって色々と方法はありますが、
「時間を使ってやったことが逆効果」は悲しいので、ストレッチを実施する前に目的に合っているかの確認をするようにしましょう。
そして、ストレッチ後にはしっかり動かすことが大事なので、こちらの腸腰筋チューブエクササイズ
腸腰筋と同じような理由で、股関節インピンジメントの原因となる「大腿直筋」へのアプローチ
股関節前面の関節包の緩さを解消する殿筋トレーニング
など、色々な視点からアプローチを試してみてください!
それでは、今日はここまで!次回、おたのしみに!