今回は「デッドリフトで背中が丸くなる原因」について書いていきます。
デッドリフトでは「背中が丸くなると腰を痛める」ことについては広く認知されていますが、「背中が丸くなる原因」についてはどうでしょうか?
まず真っ先に思い浮かぶのが、
「背中の筋肉が弱いから」だと思います。
そう説明されていることを多く見かけますが、
背中の筋肉を強くしたところで、背中の丸まりが改善される例はほとんどありません。
それどころか余計にひどくなることもあります。
この意味を正しく理解することで「デッドリフトで背中を曲がり腰を痛める原因」を防ぐことが可能になります。
では、
なぜ背中が丸くなるのか?
背中が丸くならないにはどうしたらいいのか?
という点について解説していきます。
背中が丸くなる原因はハムストリングス、殿筋が弱い
結論を言うと
「デッドリフトで背中が丸くなる原因はハムストリングス、殿筋が弱い」
ことがほとんどです。
逆に「背中は強く、背中の力を使って挙げている」ことになります。
なぜこのようなことが起こるか見ていきましょう。
まずは、
・背中がまっすぐ
・背中が曲がっている
この2つを見てみます。
*フリーハンドのため誤差があります。
ここで注目してもらいたいのが「股関節とバーベルの距離」です。
*三角の部分を骨盤とイメージしてください。
・背中がまっすぐ=バーと股関節の距離が遠い
・背中が曲がっている=バーと股関節の距離が近い
ここに背中の曲がる原因が詰まっているといっても過言ではありません。
その原因を理解するためには「モーメントアーム」について知る必要があるので、簡単に説明します。
モーメントアームは動きの支点(股関節)と、力点(バー)の距離を指します。
支点と力点が離れれば離れるほど、モーメントアームが大きくなり、重りを動かすのに大きな力が必要になります。
逆に、支点と力点が近いとモーメントアームが小さく、重りを動かすのは容易になります。
これを「背中がまっすぐ」「背中が曲がっている」デッドリフトで例えて見ましょう。
背中がまっすぐ=股関節モーメントアーム大
背中が曲がっている=股関節モーメントアーム小
先の結論と、モーメントアームから考え
背中を丸める理由は「股関節のモーメントアームを小さくする」ためです。
モーメントアームを小さくする理由は「股関節伸展筋(ハムストリングス、殿筋)が弱いから、背中の筋肉に頼るしかない」からです。
デッドリフトにおける背中の筋肉の役割を見直します。
デッドリフトでは、背中の多くの筋肉が動員されますがその役割は「アイソメトリクス収縮」で、上体や骨盤の位置を保持する役割です。
ですが、背中が曲がっている例では、背中の筋肉をダイナミックに動かすことになります。
「股関節の伸展」を行うべき動作に対して、「脊柱の伸展」で代償しています。
これでは脊柱に負荷が集中し腰の怪我の原因になります。
ではどうすればいいのか?
「ハムストリングスと殿筋の強化をする」が最も近道と考えられます。
背中が丸くならないためのハムストリングスと殿筋の強化方法
ハムストリングスと殿筋を鍛える種目は、
・スクワット
・ヒップスラスト
・ブルガリアンスクワット
など、たくさんありますが、
筆者が一番オススメするのが「ルーマニアンデッドリフト」です。
ルーマニアンデッドリフトには、
デッドリフトには必要な
・ヒップヒンジ動作の獲得
・ハムストリングスの柔軟性の獲得
・背中をアイソメトリクス収縮で固める感覚
・ハムストリングスと殿筋の強化
など、メリットが多く存在します。
詳しいやり方はこちらの記事に書いていますので、是非読んでみてください!
デッドリフト 背中が曲がる 腰痛 まとめ
以上が「デッドリフトで背中が曲がる原因」です。
今回説明した内容がもちろんすべてではありませんが、背中を強化しようと「高重量のハーフデッドリフト」など行うと、逆効果になることが多いので気をつけて取り組んでください。
また、ハムストリングスの柔軟性の向上、胸椎伸展可動域を確保することも腰部の負担を減らすことに重要なので、日頃からのケアも意識してください。
それでは今日はここまで〜 次回お楽しみに!