今回は「骨格から考えるデッドリフトフォーム」について書いていきます。
デッドリフトは大きく分けると2種類で
・スモウデッドリフト(ワイドスタンス)
・コンベンショナルデッドリフト(ナロースタンス)
に分けることができます。
では「どちらをやるべきか?」と聞かれると、
「自分の好きな方をやればいい」のですが、
「自分にはどっちが向いているのか?」と考えた時には「自分の骨格から考えてみる」ことが一つの指標になります。
では、
・2つのデッドリフトの比較
・骨格から考えるデッドリフトの選び方
について見ていきましょう。
スモウデッドリフト・コンベンショナルデッドリフトの比較
2つのデッドリフトを比較する上で重要なポイントが
・動作の姿勢
・各関節の可動域
・使われる筋群とモーメントアーム
の3点を理解する必要があります。
では、これらを先に説明した後に「骨格」を見ていきます。
2つのデッドリフトのフォームと動作姿勢
では、画像で2つのデッドリフトを比べて見ます。
|
スモウ |
コンベンショナル |
体幹 |
前傾少ない |
前傾強い |
股関節 |
屈曲少ない |
屈曲大きい |
膝関節 |
屈曲大きい |
屈曲小さい |
このように各関節の前傾、屈曲角に違いがあります。
デッドリフトは「屈曲している関節を伸展させる動き」になるので、動きが大きい関節の筋に多くの刺激が加わります。
そこで「モーメントアーム」が重要になります。
アームカール(上腕二頭筋)で例えると、
”モーメントアームが大きい”は、
「支点(体)と力点(バーベル)が離れているほど、バーベルを動かすのに大きな力が必要になる」
”モーメントアームが小さい”は
「支点(体)と力点(バーベル)が近いほど、バーベルを動かすのに小さな力で済む」
になります。
デッドリフトでは、この通りになります。
|
スモウ |
コンベンショナル |
体幹(モーメントアーム) |
前傾少ない(小さい) |
前傾強い(大きい) |
股関節 |
屈曲少ない(小さい) |
屈曲大きい(大きい) |
膝関節 |
屈曲大きい(大きい) |
屈曲小さい(小さい) |
モーメントアームから使われる筋肉を比較すると
脊柱起立筋群:スモウ<コンベンショナル
ハムストリングス:スモウ<コンベンショナル
大腿四頭筋:スモウ>コンベンショナル
のように、関節の屈曲角度、バーとの距離とほぼ比例して筋肉にかかる負荷が変わります。
冒頭でも言いましたが、デッドリフトを「 筋肉を鍛える目的」で行うなら自分で選べばいいですが「骨格的に向いている方」を選ぶ場合は「体の各パーツの長さ」が重要になります。
例えば「胴体が長い」となれば、
コンベンショナルでは体幹の前屈がより強くなり、モーメントアームが大きくなるので動作がしんどくなります。
では「自分の骨格から見るデッドリフトフォームの選び方」について紹介していきます。
骨格見つける自分に合うデッドリフトフォーム
デッドリフトフォームを骨格から見る場合は
・体幹部の長さ
・腕の長さ
をベースに考えます。
少しおまけ要素にはなりますが、
・大腿部の長さ
・下腿の長さ
を考慮し、合計4つの要素が基準になります。
*今回は体の柔軟性は考慮しない
自分の骨格の調べ方とフォームの選び方を見ていきます。
*参考動画は記事の最後に貼っています。
まずは
・身長
・腕の長さ(上腕骨頭〜中指までの長さ)
・足の長さ(大転子〜床までの長さ)
この3つを測ります。
「大転子」の場所がわかりにくい方は、太ももの横(上側)に手を置き、お尻を横に突き出し置いてある手を押すようにすると、大転子(骨)を触れる感覚が得られます。
そして「体幹部の長さ」が必要なので、
「身長ー足の長さ=体幹部の長さ」で計算します。
「腕の長さ」と「体幹部の長さ」がわかったので、それぞれを身長で割ります。
そして%が出ると、下の表を元に自分の骨格とデッドリフトフォームを照らし合わせます。
|
短い |
平均 |
長い |
体幹部の長さ |
<47% |
47% |
>47% |
腕の長さ |
<38% |
38% |
>38% |
|
体幹部短い |
平均 |
体幹部長い |
腕短い |
両方可 |
スモウ |
スモウ |
平均 |
コンベンショナル |
両方可 |
スモウ |
腕長い |
コンベンショナル |
コンベンショナル |
両方可 |
このように「体幹部」と「腕」 がベースとなり決まります。
少しおまけの要素になりますが「大腿部」と「下腿」の相対比でも、向き不向きはあります。
大腿部長い:下腿短い |
スモウ |
大腿部短い:下腿長い |
コンベンショナル |
「測定方法」
大腿:大転子〜膝外側関節裂隙部
下腿:膝外側関節裂隙部〜外果
「膝外側関節裂隙部(ひざがいそくかんせつれつげきぶ)」は、多くの方が聞き慣れないと思いますが、膝を構成する骨の「大腿骨と脛骨の外側の隙間」を指します。
立っている状態で触ることは難しいので、あぐらをかいて膝の外側を触ると「骨と骨の間のくぼみ」を触れることが出来ます。
そこが「膝外側関節裂隙部」です。
骨格から考えるデッドリフトフォーム まとめ
以上が「骨格から考えるデッドリフトフォーム」になります。
あくまでも基準から考えたものですので、
・体の柔軟性
・体の強い部位、弱い部位
・感覚的にやりやすい方
など、他にも多くの選択する要素があるので1つの参考値程度で考えてください。
今回参考にした動画は、こちらです。
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