今回はオーバーヘッドプレスで重要な「体幹部の安定と広背筋と殿筋の連動」について書いていきます。
オーバーヘッドプレスは、
・BIG3(特にベンチプレス)の補助種目
・サイドレイズ、ダンベルショルダープレスなどが優先的に行われている
といった印象を受けますが、オーバーヘッドプレスをすることで
・体の使い方が上手くなり、他のトレーニングに還元できる
・多くの筋群や、関節が働くためBIG3同様に高いトレーニング効果がある
といったメリットがあり、筆者はメイン種目として取り入れることを推奨しています。
その中でも、BIG3同様に高重量を扱うためには
・体幹部の安定化
・股関節の力と背部の力を連動させる
この2点が重要になります。
なので今回はその2つの方法とコツについて紹介していきます。
*オーバーヘッドプレスの基本のフォームについてはこちら
体幹部を安定させるための筋の連動
*基本のフォームについて理解がある上で書いていきます。
オーバーヘッドプレスの動作中は「体幹部は常に安定」を保たなければいけません。
BIG3や他の種目でも「体幹部の安定」は絶対条件ですが、特にオーバーヘッドプレスはこだわる必要があります。
その理由が、
他のBIG3と違い、バーを高い位置(ボトムポジション)で担ぎ、更に頭上にまで挙上する必要がある上に「一番重たい局面」からの挙上が求められます。
例えばスクワットのボトムポジションでは、腹圧を高めた状態で動作が出来ないと「潰れるorグッドモーニングなどの代償運動」が見られ非常に危険です。
そして、代償運動をいとも簡単に行ってしまうのがオーバーヘッドプレスで、腰に負担を感じる方はほとんどが「代償運動+体幹部が不安定」で動作を行っています。
オーバーヘッドプレスで「代償運動と体幹部の不安定」が起こらないためのコツを紹介します。
体幹部の安定に必要な「広背筋と殿筋の連動」
体幹部の安定に欠かせないのが「広背筋と殿筋の連動」になります。
BIG3をやり込んでいる方は理解しなくとも感覚で出来ていることも多いです。
この連動を出すことにより、
・腰の負担を大きく減らす
・体幹部が安定し、大きな出力を出すことが可能になる
といったメリットがあるので詳しく見ていきます。
広背筋と殿筋は、筋繊維方向が腰付近を中心に交差します。
お互いが連動することで「背部の緊張」が生まれ「体幹部の安定」に関与します。
もう少しく詳しく「筋繊維方向」から見てみます。
「筋繊維方向」から見ると、
・広背筋は腰部に向かって収縮
・殿筋も腰部に向かって収縮
することでお互いが「腰を中心に圧」をかけます。
「腰部の圧」のイメージは「腹圧」と同様のイメージで良いと思います。
バルサルバ呼吸+広背筋と殿筋の連動=体幹部が最も安定する
とも言えます。
逆にオーバーヘッドプレスで
・腰を痛めた
・腰椎の伸展ばかりで動作を行ってしまう
方は、広背筋と殿筋の連動がほとんど出来ていないと思います。
実際に、広背筋と殿筋を連動させるイメージを画像で見てみます。
広背筋と殿筋を連動させるコツとやり方
左:連動をしていないスタートポジション
右:広背筋と殿筋の連動のスタートポジション
では、矢印に振ってある番号と共に解説していきます。
①股関節の伸展
「骨盤を前に突き出す」ように股関節を伸展します。
伸展することで「殿筋」に力が入り、さらに股関節を軽く外旋することで下半身が固められます。
注意点は「膝が曲がらない」ことです。
少し膝を伸ばすイメージを持ち、大腿四頭筋に力を入れます。
②胸椎の伸展
鎖骨の下辺りを「天井に向ける」「バーに当てに行く」イメージを持ち胸椎を伸展させます。
うまく胸椎伸展出来ると、鎖骨の下にバーが乗っかります。*個人差あり
注意点は「腰椎の伸展」をしないことです。
胸の上側のみ反るイメージを持ちます。
腰椎の伸展を防ぐためにも、同時に「腹筋に力を入れる意識」も大切です。
③広背筋の収縮
普段からラットプルダウンをする方は感覚としてわかりやすいと思いますが、胸椎伸展の状態は広背筋に力が入りやすい感覚があるかと思います。
なので、少し「脇を締め肘を内に絞るイメージ」で簡単に広背筋が収縮感を得られると思います。
このように広背筋と殿筋を連動させることで「体幹部の安定化」が見られ、挙上段階でも腰の負担を減らすことが可能になり、強い挙上動作にも繋がりますので、是非試してみたください。
「オーバーヘッドプレス」体幹部を安定させるコツと連動 まとめ
以上が「体幹部の安定化と広背筋と殿筋の連動」になります。
この連動自体は
・デッドリフトで背中の角度をキープする
・ベンチプレスで脇の開きを抑え、レッグドライブを有効に使う
といった場面でも使われているので、無意識でしている方も多いと思います。
オーバーヘッドプレスをやり込んでいる方には、今回の内容は「スタートポジション〜挙上の流れを作るための当たり前の動作」であると思います。
なので、この連動を意識することで自然に
・スタートポジション〜挙上の流れが作れる
・体幹部の安定した状態で動作が可能になる
ので、必ず習得するべきだと考えています。
特に、
・オーバーヘッドプレスでバーを真っ直ぐ挙上できない
・挙上のはじめから腰が弓なりに沿ってバーと顔の距離が遠い
方は、1レップずつ丁寧に連動と動きを意識して行ってみて下さい。
それでは今日はここまで!次回、おたのしみに!
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