今回は、股関節付け根の外側の痛み「転子滑液包炎(てんしかつえきほうえん)」について書いていきます。
太腿の外側の痛みについては
などを今まで紹介してきましたが、
今回の「転子滑液包炎」も「同じような原因」で起こります。
「同じような原因」とは、
・スクワットのニーイン癖がある
・O脚気味である
・長時間のランニング、歩行で痛みが出る
などで「股関節の付け根の外側に痛み」がある場合は「転子滑液包炎」の可能性が高くなります。
放置していても「根本原因」を治さないことには、症状は改善しにくいので
・転子滑液包炎が起こる理由
・転子滑液包炎の改善方法
この2つを見ていきましょう。
転子滑液包の炎症と原因
まずは「転子滑液包炎」について見ていきます。
転子滑液包炎は、大腿骨の「大転子」で起こる炎症です。
大転子は大腿骨の外側の出っ張りの部分です。
転子滑液包は「大転子の上を通る筋肉との摩擦を軽減させる」役割があります。
ですが、
「摩擦による刺激を受け続ける」ことで、転子滑液包に炎症が起こり「転子滑液包炎」となります。
その「摩擦の原因」は
・小殿筋
・中殿筋
・大殿筋
・梨状筋
の「4つの筋肉」が関係しているので、それらを見ていきましょう。
転子滑液包炎の原因になる「4つの筋肉」とは?
摩擦の原因になる「4つの筋肉」
・小殿筋
・中殿筋
・大殿筋
・梨状筋
これらの共通点が「大転子」に筋肉が付着することです。
それぞれの「大転子に付着する位置」を見ていきます。
このように「大転子を包み込むよう」に付着し、それぞれの筋肉が機能することで股関節の機能を安定させます。
逆に、それぞれの筋肉が上手く働かないことにより「大腿筋膜張筋が過緊張」することで「摩擦の原因」になります。
※殿筋がうまく機能しないと、大腿筋膜張筋が代償することが多い
「大腿筋膜張筋の位置」と「4つの筋肉」の関係を見てみます。
「大腿筋膜張筋」は大転子や、殿筋群を覆う形になります。
つまり「大腿筋膜張筋の過緊張」があると大転子を圧迫し、股関節を動かすたびに摩擦の原因になります。
このような様々な要因があり、
大転子(転子滑液包)の摩擦で炎症などを起こし「転子滑液包炎」へと移行します。
それらの原因を改善するための
・大腿筋膜張筋のマッサージ方法
・2種類のトレーニング
を紹介していきます。
転子滑液包炎の改善方法
「大腿筋膜張筋のマッサージ」
まずは「緊張した大腿筋膜張筋」をほぐしていきます。
【マッサージ方法】
①手のひらの根本の部分で大腿筋膜張筋の一番上を押さえる
②圧迫しながら円を描くようにマッサージ
③「圧迫の強さは痛気持ちいい程度」で、10周円を描いたら下にずらす。
④膝の外側まで出来たら終了。1往復おこなう。
マッサージで「嫌な痛み」を感じる場合は中止して下さい。
「殿筋」を鍛える2種類のトレーニング
ヒップリフト
まずは「股関節の伸展、外旋」の動作を鍛えます。
4つの筋肉のすべてがこの機能を持ちますが、特に「大殿筋、中殿筋、梨状筋」が強く働きます。
では、ヒップリフトのやり方を紹介します。
「15回を3セット」行いましょう。
※ヒップリフトで「太腿ばかりに刺激が入る」方は、特に「膝を外に開きながらお尻をあげる意識」を持ってやってみてください!
小殿筋・中殿筋のトレーニング
先程は「股関節伸展、外旋」の動きをメインに行いましたが、
次は「屈曲、内旋」の動きで、「小殿筋、中殿筋」が働きます。
では、トレーニング方法を紹介します。
【小殿筋・中殿筋トレーニング方法】
①股関節と膝を曲げ、踵と膝の内側を揃える
②膝の内側を付けたまま、踵を離す(天井に当てるイメージ)
③股関節の内旋(内に捻る)意識を持ち、15回2セット
2種類のトレーニングで「痛み」がある方は、中止して安静が良いです。
「股関節の付け根、外側の痛み」 まとめ
以上が、転子滑液包炎になります。
スクワットや、ランニング、歩行などの動作は「常に大転子に摩擦」が生じています。
そこで「4つの筋肉」が「働いているか、いないか」で負担の差が大きく変わります。
基本的に「痛み」が出ている状態は、体の危険信号が出ている状態なので「痛みを我慢してトレーニング」は必ずやめてください。
冒頭で、「O脚の方にもなりやすい」と書きましたが「O脚は大腿筋膜張筋を常に引っ張っている」状態です。
なので、下の動画で紹介している「見ながら出来る下半身ストレッチ」を改善のために是非取り入れてください。
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