皆さんはトレーニングプログラムで重量が伸びた経験はありますか?
プログラムとは、決められた重量、回数、セット数を行い、挙上重量を伸ばすための計画的なトレーニング方法です。
期間は8週〜12週を目安に行い、ほとんどの人がMAX重量を更新します。
その理由は、重量を伸ばす適切な負荷設定になっているからです。
逆に、「毎回追い込んでいるけど伸びない」「全然トレーニング量が足りていない」というパターンでは、負荷設定の間違いにより伸びないことも多いです。
つまり、「やり過ぎ」と「やらなさ過ぎ」のちょうど良い塩梅がプログラムなのです。
ただし、ちょうど良い塩梅には落とし穴があります。
それは、ほとんどの社会人には適していないことです。
なぜか?
「適切な負荷設定=筋トレのみできる環境」を中心に考えられているからです。
仕事や勉強、育児に家事。
これらを天秤にかけたとき、「筋トレがもっとも優先すべきこと」である人には、絶大な効果を発揮すると思います。
僕はプログラムをやめて約2年が経ちます。
大きな成長と大きな落とし穴にハマったので、それを共有したいと思います。
トレーニングが大好きな皆さんの参考になれば嬉しいです。
また、インスタでも質問を募集しました。
ほとんどの返答が「するべき」だったので、これからトレーナーを目指す方、活動中の方の参考にもなるかと思います。
プログラムで爆伸びの経験
改めまして、僕はジム運営をしているパーソナルトレーナーです。
トレーニングにまつわる仕事がメインなので、理解度を深めるためと、趣味の一環として筋トレをしています。
ジムは4年目になりますが、オープン当初からプログラムを始めるとグングン成長し、BIG3のトータルは、1年半ほどで50kg近く伸びました。
(※海外のプログラムや、日本語で販売されている様々なものを実施)
トレーナーになるきっかけは、「筋トレがおもしろい(今も)」だったので、重量が伸びていくのは本当に楽しかったです。
ただ、同時に思っていたことが「あかん、ホンマにキツいな…」です。
週3〜4回、ほぼ毎回、自分の限界近くまでトレーニングします。
精神的な「追い込んだ」「追い込んでない」ではなく、数字で判断します。
つまり、達成可能な数字であるがゆえのしんどさです。
「ノルマを達成しないと減給、できると昇給」に近いのかなと。
さぼると絶対に無理、頑張れば達成できる。
そんなイメージです。
金銭のやり取りもないのでプレッシャーは全然違いますが、これをやれば自分が伸びるという喜びを知れば、キツくても頑張ってしまう一面があります。
やる気が出ない不思議な感覚
一年半が経過しても順調に伸びていきましたが、「トレーニングは好きだけどやる気が出ない」と、はじめての感覚に陥りました。
僕はこのことを「力の前借りだったかな〜」と感じています。
引用:『HUNTER×HUNTER』冨樫義博
本来は3年半かけて伸びたところを、1年半で伸ばした。
それと引き換えに、気力を生贄にした感覚です。
好きだからやりたくて、アップまできっちりするのに、メインセットのやる気は一切でない。
不思議でした。
そこから本気で取り組むプログラムをやめ、約2年が経過しました。
プログラムをやめて、思うこと
はじめの1年くらいは、軽くバーベル触るくらいしかできませんでした。
ですが、ここ1年はピークの90%くらいまで重量が戻り、今が1番トレーニングが楽しいです。
楽しくなった要因は、「別に伸びんでも良いや」と思ったことです。
僕はトレーナーであり、トレーナーは筋トレをするべきと考えています。
ただ、最優先は「教えること」です。
「筋トレ=死にものぐるいでやる」
ガチ勢の一般的な意見はこれに近いですが、それに沿う必要は全くありません。
「教える」というスキルを最大限に磨き上げることが、僕の理想とするトレーナー像です。
名選手ではなく、名コーチになりたいのです。
後から気付いたのですが、僕は何かを教えることが好きで、それがたまたま筋トレになっただけです。
もし将棋にハマっていれば、将棋の指導者だったかも知れません。
これは、プログラムをやめてから気付くことができ、人生の中でも大きな転機となりました。
おかげで、今ではたくさんの趣味が増えました。
たくさんの本を読む時間が増えました。
ネテロ会長の気持ちが少しわかります。笑
引用:『HUNTER×HUNTER』冨樫義博
それが良いこと、悪いことではなく、人生がより楽しくなったので、プログラムをやって本当に良かったと思っています。
最後にまとめると、
プログラムをおすすめする人
・元気いっぱいで、筋トレに最もエネルギーを注げる環境
・トップを目指したり、限界までチャレンジしたい
・どのようにメニューを組めばよいかわからない(負荷調整は必須)
・精神論でギリギリまで追い込んでしまう
プログラムをおすすめしない人
・筋トレ以外に優先すべきことが多い環境
・体の不調、怪我などを抱えている
・精神論でギリギリまで追い込みたい
・他の趣味と筋トレを平行している
怪我をせず、筋トレを楽しんでもらえるように、今後の情報発信も頑張っていきます。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。