前回バーの軌道や動き、足との連動について書きました。
それを踏まえ、今回は、タッチポイント(バーが胸に着く位置)の理想の位置について解説していきます。
「バーの下ろす位置は、乳首の位置付近」
と書かれていたり、教えられたりすることが多いのですが、説明が雑すぎる上に、その状態で行うことで「本当の正しい位置がわからなくなる」こともあります。
なので、ベンチプレスでの怪我を防ぐと共に、効率の良い力の伝達が出来るようにしっかりと理論を理解していきましょう!
ベンチプレスのバーを下ろすタッチポイントと理想の位置の条件
- 前腕とバーは垂直になる
- 前腕と地面は垂直になる
- ボトムポジションで、手関節背屈位
- バーを手のひらの面と、前腕の骨で受ける
- しっかりとアーチを作りポジショニングを行う
5は過去の記事にて、何度も書いていますので
今回はタッチポイントに、より関係する1・2・3・4の解説をします。
タッチポイントの成功例と失敗例
一番上は、タッチポイントが綺麗にできています。
タッチポイントで肩・手首が痛む例(画像左下)
これは腹側にタッチポイントがズレています。
この状態から、トップポジションに戻すのは、難しそうですね。
腹側に流れ過ぎてしまう原因として多いのが、
- 背中を固め過ぎて、肩甲骨が動かず肩関節のみが動いている(以前の記事で、背中を固めるのは7割と言っていた1つの理由)
- 足が踏ん張れていないため、重量が足の方へ流れる
- 適切な角度に脇が開けていない
の3点が多いかと思われます。
背中を動かさず、脇を閉じエアーでベンチプレスを行ってみてください。
肩が内に巻いて浮いてきませんか??
ボトムに近づくほど、肩が浮いていき、そのまま押し返すと肩の大きな負担になります。
そして、このタイプの方に多いのが、手首でタッチポイントを調節することです。
ボトムに近づくにつれ、手首を背屈していく。
(ベンチ中にプレートが回っている方は、この傾向あり!)
これは、バーが手の中で遊ぶので、
手首の怪我へとつながります。
理想のタッチポイントにバーを正しく降ろす練習法(腹側版)
- ポジショニングの見直し
- 重量を軽くし、サムレスグリップで手首の面で常に受ける意識を持つ
- 脇の広げる角度を見直す(基本は時計の針で4時と8時くらいに脇開く)
緑は3・4の
赤は1・2の対策・練習になります。
同じ画像ですが、右下の解説をします。
タッチポイントで肘・肩が痛む例(画像右下)
頭側にズレる原因
- 肩甲骨の下方回旋がうまく使えず、肩甲骨内転の動きになっている
- 手首が背屈せず、手首を立てている
- 力でバーをコントロールし、脇が開き過ぎている
- 頻繁にお尻を上げベンチプレス をしている
の4点が多いかと思われます。
左下とは、真逆の原因が多いですね。
この右下の例は骨格の動きとして、
手首を立てる→肩甲骨内転
手首を寝かす→肩甲骨下方回旋
で、肩甲骨の正しい運動方向を制御してしまい
そして、ボトムで肩甲骨が挙上し、切り返しで肩が上がることが非常に多くなり、肩の大怪我につながります。
また、このフォームは、脇が広がり過ぎると、肩に大きな負担
脇が狭過ぎると、肘が鋭角になり大きな負担がかかります。
理想のタッチポイントにバーを正しく降ろす練習法(頭側版)
- ポジショニングの見直し(徹底的に)
- 動きの理解
- 重量を軽くし、サムレスグリップで手首の面で常に受ける意識を持つ
- 脇の広げる角度を見直す(基本は時計の針で4時と8時くらいに脇開く)
意外ですが、基本の対策・練習法は同じになります。
ただ、右下はポジショニングと動きの理解がとても大切になります。
頭のイメージと体の動きは、合わないことの方が多いので
しっかりと鏡を見て練習してみてください!!
それでは、今日はここまで〜
次回、【ベンチプレス論争】フォームの左右差はあっても良い!その理由とは?お楽しみに〜