【ベンチプレス】運動連鎖から考えるリストラップの巻き方

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今回は「運動連鎖から考えるリストラップの巻き方」について紹介します。

 

過去動画では、手首を痛めないための「遠位撓尺関節を安定させる目的」として紹介しましたが、今回は「内巻き、外巻きどちらが良いのか?」というテーマです。

 

特にベンチプレスやOHPなどの種目に影響しやすく、体の構造を理解した上で「内巻き・外巻き」を選択できると、肩、肘、手首の怪我のリスクを少し減らすことも可能なので巻き方の違いを紹介します。

※個人差が大きい部分なのであくまでも参考程度に

 

 

ベンチプレスの動きと運動連鎖

まずは運動連鎖について簡単に説明します。

運動連鎖とは「1つの関節の動きが他の隣接する関節に影響する」ことを言い、簡単にイメージすると「うまく使うと体がスムーズに動く」ような感覚です。

スムーズに動く感覚とは「動きに違和感を感じないこと」を言います。

 

簡単なイメージは歩行で、自然な歩行は左足が前に出たら右手も前に出ると思いますが、左足と同時に左手を前に出すとかなり違和感を感じると思います。

 

個人の癖を無しに考えると、例のような違和感のない動きほど体がうまく動いていると言えますが、重りを持ったトレーニング中に違和感に気付くのは案外難しいものです。

 

なので違和感を無くすために「頭で理解+体を動かす」ことを体感してみましょう。

 

ベンチプレスの運動連鎖

今回はベンチプレスと関わり深い肩関節の運動を軸に考えます。

※ここから先の話は文面ではわかりにくい所も多いので、解剖学用語が苦手な方は下記の動画を見た後に記事内のリストラップの巻き方を見てもらえると良いです。

 

まずベンチプレスの基本姿勢を関節別で見ると

脊柱伸展(アーチを作る)→肩関節(軽度外旋)→肩甲骨(下制+下方回旋+内転)→前腕(回内)→手関節(背屈)

このような姿勢を保つことが怪我を防ぐ上で重要です。

 

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この姿勢は肩の肢位がキーポイントになり、肩関節の回旋運動「外旋」「内旋」がベンチプレス動作の運動連鎖に大きく影響します。

では2つの関節の動きを比較して見ます。

 

肩関節の肢位から考える運動連鎖

アーチを作る脊柱伸展の動きは共通とし、肩の肢位から見る運動連鎖の流れを見ます。

 

【肩関節外旋の運動連鎖】  

(脊柱伸展)

肩関節外旋→肩甲骨(下制+下方回旋)→前腕(回外)→手関節(背屈)

f:id:health--life:20220129203817p:plain実際にこの動きを試してみてください。

次に内旋の運動連鎖です。

 

【肩関節内旋の運動連鎖】

(脊柱伸展)

肩関節内旋→肩甲骨(挙上+上方回旋)→前腕(回内)→手関節(中間位)

※意識しないと脊柱は屈曲しやすくなる

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肩関節を基準とし、運動連鎖通りに体を動かすとズムーズに動き、実際に外旋と内旋ではほぼ正反対の動きが起こります。

 

改めて各運動連鎖の姿勢を作った後、バーを下ろす動きをしてみます。

肩関節外旋の運動連鎖→脇が開きにくい体の動き

肩関節内旋の運動連鎖→脇が開き肩の怪我をする動き

となると思います。

※画像右上は撮影ミスで前腕回内になっています。

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肩関節外旋の運動連鎖は、肩関節外旋→肩甲骨(下制+下方回旋)→前腕(回外)→手関節(背屈)ですが、

ベンチプレスの基本姿勢は、脊柱伸展→肩関節(軽度外旋)→肩甲骨(下制+下方回旋+内転)→前腕(回内)→手関節(背屈)です。

 

前腕の肢位が運動連鎖とは違いますが、外旋の運動連鎖が怪我をしにくいベンチプレスに近い動きです。

 

ただここで気をつけて欲しいことが2つあって、トレーニングは全て運動連鎖にしたがって出来るものではないことと、「中枢の関節(肩、肩甲骨)は末端の関節(手関節、前腕)の影響を受ける」ことです。

 

例えば、肩関節外旋→肩甲骨(下制+下方回旋)→手関節(背屈)→前腕(回内)

この順番でフォームを作っていくと自然な動きができると思いますが、

前腕(回内)→手関節(背屈)→肩甲骨(下制+下方回旋)→肩関節外旋

このように末端からフォームを作っていくと体が動かしにくく違和感を感じると思います。

 

なのでフォーム作りは原則体の中心から行うようにするべきです。

 

ここまでで運動連鎖とベンチプレスのフォームについて見たので、次にリストストラップの巻き方を運動連鎖から見ます。

 

運動連鎖から考えるリストラップの巻き方

末端の動き(手関節、前腕)は中枢の関節(肩、肩甲骨)に影響を与えると言いましたが、リストラップの内巻きと外巻きでも変化が出ます。

f:id:health--life:20220129212504p:plain内巻きは方向から考えると前腕を回内させやすく、運動連鎖と末端の影響を考えると「ベンチ中に少し脇が開きやすくなる」巻き方です。

ですが、回内させやすい=遠位撓尺関節の安定感を高めやすい巻き方にもなります。

 

なので「脇は開かないけど手首に少し不安がある」という方は、内巻きを試すのも良いかも知れません。

遠位撓尺関節の安定感が高まる理由はこちらの動画を参考にしてください。

 

逆に外巻きは前腕を回外させるような方向に力が加わりますが、運動連鎖と末端の影響を考えると「ベンチ中に脇を閉じやすい」巻き方になります。

「手首に不安は無いけど脇が開いて肩が怖い」という方は、外巻きが合っているかも知れません。

 

運動連鎖がすべてを決める要因ではありませんが、知識として知っておくとおもしろいと思います。

 

運動連鎖から考えるリストラップの巻き方 まとめ

以上が運動連鎖から考えるリストラップの巻き方です。

 

今回紹介して要素はあくまでもおまけ要素で、ベンチフォームを作るための胸椎の柔軟性や肩、肩甲骨周りの根本的な動きがしっかりと出せることが一番大切です。

そのためのストレッチやモビリティエクササイズ方法はこちらの動画を参考にしてください。

 

また今回は巻く位置については触れていませんでしたが、巻く位置も手首の安定性向上にとても重要なので、参考にしてみてください。

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