今回はオーバーヘッドプレスが上手くなるための3つの動きを紹介します。
OHPは基本動作を理解出来ていても実際に行動に移すのが難しい種目です。
また、出来ているつもりになることも多く、重量の伸び悩みの原因にもなります。
特にOHPを初めて6ヶ月〜12ヶ月くらいの方に当てはまりやすく、
・重量がなかなか伸びない
・腰を反って無理やり挙上している
・前後左右のブレが気になる
と思い当たる方は、是非参考にしてみてください。
胸の張り方と頭の位置
まずはOHP全体の動きを確認します。
1つ目のポイントが「胸の張りと頭の位置」です。
バーを真っ直ぐ挙上する上で重要なポイントですが、動作中に「腰が反る」という場合、胸の張り方に問題がある可能性があります。
腰が反りやすい方の胸の張り方は、「お腹が前に突き出る」ように張っています。
このままでは重量が乗った瞬間に腰が反りやすく、怪我の原因となります。
対策としては、「後ろにもたれかかる」ように胸を張ってみてください。
体の中心に対して重心を少し後ろに持ってくるイメージです。
その時の頭の動かし方も重要で、「後頭部を後ろから引っぱられる」ように前後方向で動かします。
二重顎を作るようなイメージです。
頷いたり、天井を見たりと上下方向に動かさないように注意します。
上下方向の動きにすると、バーの挙上軌道の邪魔になります。
お尻を前に突き出す
2つ目はお尻(股関節)の動きです。
OHPの動作中は「常にお尻に力を入れた状態」をキープします。
その理由は、胸を張る動き自体が腰を反ったり骨盤が前傾しやすくなります。
そのままOHPを行うと腰を痛める原因になるので、腰の反りや骨盤の前傾を抑えるために「骨盤後傾」の働きを持つお尻の筋肉を意識します。
意識の方法は、
①お尻の穴を締めるように力を入れる
②お尻を少し前に突き出す
この2点ですが、①②共にタイミングが重要です。
①お尻の穴を締めるように力を入れる
これは常に意識しておきます。
「お尻の力が抜ける=腰を反る」くらいで覚えておきましょう。
②お尻を少し前に付き出す
タイミングが2つあり、
(1)挙上前
(2)バーを下ろす前
です。
(1)挙上前に関しては、胸を張る際に「後ろにもたれかかるように」と言いましたが、この動きで重心自体がやや後ろに偏ります。
その重心を真ん中に戻すように、お尻に力を入れながら少し前に出します。
これにより、体の中心に対して「股関節が前、背中が後ろ」になります。
この状態がバーの挙上軌道をまっすぐに確保しやすい状態なので、挙上前に「お尻に力を入れて少し前に出す」ことを意識してください。
(2)バーを下ろす前
バーを挙上し切ったロックアウトポジションでは、バーと体は一直線です。
この位置からバーを下ろしますが、挙上前のポジションと同じ形を作るように下ろしていきます。
バーを下ろすと同時に、
・後ろに持たれるように胸を張る
・頭を後ろに引く
・お尻を前に出す
これら3つが同時に出来ると、挙上時と同様バーがまっすぐ下りる軌道を確保することが出来ます。
さらに下ろした後にはすぐに挙上できる姿勢が作られているので、次のレップにテンポよく移ることができます。
この(2)のタイミングがかなり難しいと感じる方が多いので、軽い重量から練習してみてください。
足幅の見直し
体格差もありますが、OHPの足幅は「腰幅」を目安にします。
その理由は、OHP動作中は横ブレより前後のブレが大きくなる傾向があるからです。
※前後のブレとは「腰の反り」や「バーが真っ直ぐ上がらない」など
この前後のブレを抑えるのに重要なのが「大腿四頭筋」と「腹圧」です。
腹圧はバーベル種目全てで意識するので割愛しますが、大腿四頭筋で踏ん張ることで、挙上時の体の安定感に大きな違いが出ます。
腰幅程度に足幅を広げ、お尻を少し前に突き出すと同時に、脚をピンと伸ばすように力を入れてみてください。
そうすることでお尻と大腿四頭筋に力が入ると思います。
このように体を横から見た状態で、「胸を張る+腹圧+お尻+四頭筋」の前後からの支えがあることで、OHPの前後のブレを減らします。
特に高重量を持つ際に大切なポイントなので覚えておいてください。
オーバーヘッドプレスがうまくなるコツ まとめ
以上がオーバーヘッドプレスに重要な3つのポイントです。
OHPは肩の健康を保ちながら身体を強化するオススメの種目ですが、今回の3つのポイントがうまく出来ないと怪我の原因となります。
他のトレーニングにも当てはまりますが、「無理をしない」ことが重要で、とにかくフォーム作りを丁寧に行ってください。
その他にも「1レップ目が重く感じる」という方向けに、記事で紹介した動きを応用するテクニックを動画でも紹介しています。
1RM更新には欠かせない技術なので、基礎のフォーム作りが出来た方は、次のステップとして取り入れて見てください。