今回は『スクワットの「重心位置」と「股関節の動き」を良くする「ゴブレットスクワット」』について解説していきます。
「ゴブレットスクワット」は、通常のバーベルスクワットで、
- 腰が痛くなる
- 重心が前に流れてかかとが浮く
- フル(深く)までしゃがめない
といった方の、悩みを解決する「最善の策」ともいえる補助種目です。
なぜこの悩みが改善できるかというと、
「ゴブレットスクワット」をすることにより、「股関節の使い方と、重心位置の理解」を深める事ができます。
単純に「股関節」が上手く使えれば、腰に負担がかかる原因を減らすことができ、
「重心位置」を掴むことで、バーの前後のブレが少なくなり、前に流れることを減らすことが出来ます。
この「ゴブレットスクワットで得られる感覚 」は、怪我を防ぐ上で非常に大切です。
また、「スクワットを初めて間もない方」や、「少し関節を痛めて重量が扱えない方」にも、動きの再学習に有効になります。
それでは「ゴブレットスクワット」の紹介をしていきます。
スクワットに重要な「重心位置」と「股関節の動き」
まずは「スクワットの重心位置」について見ていきましょう。
「スクワット動作」では、「体幹部・膝・股関節」が曲がります。
その中で「トライポッド(母趾球・小趾球・踵)」の3点に体重を乗せ、バーが「ミッドフット(足の真ん中)」を通過することが重要です。
スクワット動作で、「バーが前に流れる」ことが多い方の中にも、
「バーを持っていないと、真っ直ぐしゃがむことができる」
といった方も多いと思います。
「バーを持った時だけ前に流れる」について考えられる原因が、
- 柔軟性が不足している(担ぎの不安定も)
- 重心がズレて、バーが流れる
- 股関節の動きを、体幹部や膝が代償している
などが考えられます。
「バーを持たない状態のスクワット動作」を確認してみます。
「ピンクの線上(ミッドフット)をバーが通過」することが理想です。
ただ、これには1つ落とし穴があり、
「バーが通過するミッドフット上に、重心の中心は無い」ということです。
どういうことなのか?を画像で見ていきます。
重心の割合を10で考えます。
左側の「バーの通過するミッドフットライン」を重心の真ん中と考えてしまうと、後ろ側の重心の割合が高くなります。
この理由は「自分自身の体重」が要因です。
単純に重い「お尻・大腿」のほとんどがラインの後ろを通るからです。
逆に右側のラインは「体重」を考えた上での、重心の均等なラインです。
では、「体重比で考える重心の真ん中に、バーが通ればいいのではないか?」
となりますね。
「体重比の重心の真ん中」をバーが通ると、
- 踵に重心が集中する
- 担ぐ位置が低すぎて担げない
- 担ぎと、足の接地面が不安定でうまく筋力を活かすことが出来ない
といった問題が起こります。
それをすべて解決するのが、「ミッドフットラインに、バーが通る」ことです。
「バーがミッドフットライン」を通ることで、後ろにかかった重心と、ライン上にあるバーの重さで「5:5」の割合になります。
右下の「重心の真ん中ライン」を基準に考えると、バーのほうが重いので前に重心が偏ります。
この違いを理解することが「バーを担ぐスクワットの重心」の理解に繋がります。
この「重心感覚」を養うには、
- 腹圧・腰圧をかけ「上体の角度」をキープ
- 体幹・股関節・膝の連動した動き
- 重心位置の理解
が必要となります。
それら全てを練習することができるのが「ゴブレットスクワット」です。
実際のやり方を見ていきましょう。
スクワット動作の「股関節の使い方」に関しては、こちらの記事を読んでもらうと、すごく理解が深まります。
スクワットの「股関節・重心位置」を掴む【ゴブレットスクワット】のやり方
まずは「ゴブレットスクワット」のやり方を簡単に動画で確認してみましょう。
それでは、今からポイントを解説していきます。
*ダンベル等の持ち方や、スタートポジションは動画にあり簡単なので、省いています。
「ゴブレットスクワット」では、バーを担いでいるわけではないので、「バックスクワット」より上体が少し起きた形になります。
それでも原理は同じで「ダンベル(バー)」 の重さを使って、重心を均等に分かれるようにします。
ボトムポジションで「重心のズレ」があると「ずっとしゃがんでおくこと」は出来ません。
なので、
- しゃがんでいても、フラフラしない位置
- 母趾球・小趾球・踵に均等に体重が乗せれる位置
- 背中がまっすぐのまま、バットウィンクせず深くしゃがめる位置
この3点は「スクワット」において大切で、「ゴブレットスクワット」をやることで感覚を掴みやすくなります。
特に、
1・2番は「重心位置の確認」
3番は「股関節の使い方」がうまくなります。
「股関節の使い方が難しい」という方におすすめの練習方法が、
「肘で、膝を外に押し出して、お尻を落とすスペースを作る」といった方法があります。
「肘で膝を押し出す」 ことにより、自然と「股関節外旋」方向に動かしやすくなり、しゃがむことができる。
*股関節の詰まり感がある方にも有効
それでは「ゴブレットスクワット」の一連の流れを最後に見ていきます。
①足は腰幅〜肩幅でセットし、ダンベルを手のひらと前腕で支える
②「重心位置」を保ちながら、股関節を外旋させ、お尻を落とす
挙上局面でも、「重心位置」を保ちながら、「足裏全体」で地面を押し立ち上がります。
この際に、体や膝が前後にぶれないように、体幹部を安定させながら、立ち上がるように意識します。
10~15回を目安の重量で、
2秒かけて降りていき、「2秒しゃがんだ状態」から、すばやく立ち上がるように意識しましょう。
何度も言いますが、動作中は「重心位置」がぶれないように意識してください。
スクワットの「重心位置」と「股関節の動き」を掴む 【ゴブレットスクワット】まとめ
以上が「ゴブレットスクワット」になります。
スクワットで怪我を防ぐためには、「重心位置」と「股関節の使い方」は、非常に重要です。
この2点がうまく出来ないと、
- 腰の痛み
- 股関節の詰まり
などの問題が起きやすくなります。
バーベルを担いでやるスクワットでは、どうしても「重心位置」と「股関節の使い方」の感覚がわからなくなることがあります。
そんなときにも、補助種目として「ゴブレットスクワット」を入れてもらうと、「重心バランスの改善」であったり、「股関節の動きの差」を見つけることが出来ます。
また、バーベルスクワット前のアップにもおすすめです。
股関節周りの運動にもなりますし、その日のコンディショニングの確認が出来ます。
なので、スクワットに悩んでいる方は、是非お試しください!
それでは今日はここまで〜 次回おたのしみに!
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