今回は、大腿直筋を鍛える種目である「リバースノルディックカール」について書いていきます。
「大腿直筋」は「大腿四頭筋」と呼ばれる太ももの前面にある「4つの筋肉の内の1つ」です。
大腿直筋は、他の3つの筋肉と比べると
・スクワットでは、大腿直筋はあまり刺激されない
・レッグエクステンションでも、ほとんど刺激されない
といった、大腿四頭筋の中でも「他と大きな違い」があります。
その理由は、
大腿直筋は「二関節筋で、股関節の動きに作用する」からです。
では、
・二関節筋と、股関節の動きの関係
・大腿直筋を鍛えることができる「リバースノルディックカール」
これらを解説していきます。
大腿直筋の特徴と作用
初めに「大腿直筋の特徴」について解説します。
大腿直筋は、「大腿四頭筋の内の1つ」であり、4つの筋肉の中で唯一の「二関節筋」です。
二関節筋とは「2つの関節をまたいでいる筋肉」 であり、大腿直筋は「股関節と膝関節」の2つの関節をまたいでいます。
「二関節筋」であることから、他と同様、大腿四頭筋の作用である「膝の伸展」に加えて「股関節の屈曲」作用を持ちます。
「股関節の屈曲」は、足を振り上げる動作で、他にも「腸腰筋」などが同じ作用を持ちます。
では冒頭でいった「スクワット、レッグエクステンションで鍛えるのが難しい理由」について解説します。
スクワット、レッグエクステンションで鍛えられない理由
先に誤解を生まないように補足しておきますが、
・筋肥大についてどうこう〜
・「効く」という曖昧な表現
ではなく、
「鍛える」=「伸張〜収縮が十分に行われているか?」といった意味で書きます。
まずは、スクワットから見ていきます。
動作の最中に多くの筋群が働きますが、
「股関節屈曲」の作用を持つ大腿直筋は、伸張〜収縮の動きはほとんどありません。
その理由の1つとして、スクワットはしゃがんだ後、「膝関節伸展」「股関節伸展」の動きで立ち上がります。
※細かい動作は省いています。
つまり、スクワットでは「股関節屈曲」の作用を持つ大腿直筋は、直接的な伸張〜収縮の動きが出にくいので「鍛えることが難しい」と言えます。
次に「レッグエクステンション」を見てみます。
よく見るマシンでは「股関節屈曲位」から動作が始まります。
股関節屈曲位では「大腿直筋はすでに収縮している」状態なので、「膝関節伸展」がメインの動きになってしまいます。
※レッグプレスも同様です。
このように「大腿直筋をしっかり鍛える」のはとても難しく、
「じゃあ、足を振り上げていれば良いのか?」となってもおかしくないですが、
もう少し効率的にトレーニングしたほうが良いので、そのための種目である「リバースノルディックカール」を紹介していきます。
大腿直筋を鍛える 「リバースノルディックカール」
大腿直筋を鍛える条件として「股関節を動かすこと」が重要です。
リバースノルディックカールは「膝、下腿を地面に固定」しながら、体を倒すことで「大腿直筋に対して、伸張性運動」を行います。
※伸張性運動は、ハムストリングスで例えると「ルーマニアンデッドリフト」です。
一度、イメージが湧きやすいようにGIFで見ていきます。
詳細を画像で解説していきます。
まず、動作のポイントは
①体幹・股関節・膝を常にまっすぐ保ち、腹筋、お尻に力を入れる
②まっすぐを保ちながら、もたれるように後ろにゆっくり倒れる
③大腿前面に伸張を感じたら、まっすぐのまま戻る
④初めから無理に広い可動域を取ろうとしない
10回を2~3セット行えると良いです。
お尻に力を入れる感覚が難しい方は「お尻に穴を締める」イメージをもってください。
お尻と腹筋に力が入っていないと「腰に痛み」が出たり、「全く大腿直筋を刺激できない」といった失敗が起こります。
では「失敗例」を見てみましょう。
このような「代償動作」が出やすいので、注意が必要です。
負荷に慣れてくると、手でプレートを持つと負荷を上げることが出来るので、慣れてきた方はオススメです。
大腿直筋を鍛えるリバースノルディックカール まとめ
以上が「大腿直筋を鍛えるリバースノルディックカール」になります。
簡単そうな運動に見えますが、案外キツく、難しい種目です。
ただ、その分の恩恵として「スクワット」「レッグエクステンション」「レッグプレス」などで鍛えられにくい、大腿直筋を刺激することが出来るので、ぜひ試してみてください。
その他にも、体幹部をまっすぐ保つことで「体幹部の強化」にも繋がったり、「伸張性運動」を適度な範囲でメニューに取り組むことで「柔軟性の改善」にもなります。
フリーウェイトはどの種目でも「体幹部の安定はとても大切」ですし、「スクワットの股関節の詰まり・痛み改善」として取り入れるのもオススメです。
「大腿直筋と股関節の詰まり・痛みの関係」についてはコチラ↓
それでは今日はここまで!次回、お楽しみに!