今回は「股関節インピンジメントに対するアプローチ方法」を紹介します。
前回記事で、
「股関節インピンジメントは、筋(の挟み込み)が多い」といいました。
インピンジメントの原因となる筋肉は色々とありますが、
「大腿直筋」がインピンジメントを起こしている例が多くあります。
大腿直筋は「膝の伸展に関与する筋肉」などのイメージが強いとおもいますが、
実は、”股関節の動きとインピンジメント”に強く関与しています。
なぜ股関節のインピンジメントと関与するかは、「大腿直筋の位置関係」にあります。
では、
・インピンジメントの原因となる大腿直筋
・大腿直筋の動きを改善するアプローチ方法
を紹介していきます。
こちらの記事で「股関節インピンジメントの検査方法」について解説していますので、先に読んでもらうと理解が深くなります。
- 股関節インピンジメントの原因 大腿直筋とは?
- 股関節インピンジメントへのアプローチ1 大腿直筋の選択的ストレッチ
- 股関節インピンジメントへのアプローチ2 コンプレフロス
- 股関節インピンジメント 解消方法まとめ
股関節インピンジメントの原因 大腿直筋とは?
まずは「大腿直筋」を簡単に説明します。
「大腿四頭筋」の中で唯一の、二関節筋が「大腿直筋」になります。
ですが、二関節筋であるがゆえにインピンジメントの原因となってしまいます。
もう少し詳しく見てみましょう。
「大腿直筋」は起始を2つ持っていて、
1つは「下前腸骨棘」に付着し、サッカーのキック動作などで痛めやすく有名です。
もう1つの起始は、
「寛骨臼の上縁」に付着し、深い位置に起始があることから「大腿直筋の深部」とも言われます。
この部分からの起始は知られていないことが多いですが、
実は、股関節の屈曲動作でインピンジメントが起こるのは「大腿直筋の深部」になります。
特に、前回記事の「前方インピンジメントテスト」と「FABERテスト」 が陽性の場合は「大腿直筋の深部」が原因の1つとして疑われます。
その原因になる理由として、
・大腿直筋の柔軟性不足
・股関節後方組織の柔軟性、筋力不足
・大腿骨頭の前方偏位
が主にあげられます。
「大腿直筋」の柔軟性がなくなり、筋が拘縮することで骨盤の前傾を強め、大腿骨頭に対して臼蓋の被さりが強くなり更にインピンジメントの要因を増やすことになります。
なので、
・大腿直筋の柔軟性を改善する選択的ストレッチ
・コンプレフロスを使ったアプローチ
の2種類を紹介していきます。
*他の理由については次回紹介予定。
股関節インピンジメントへのアプローチ1 大腿直筋の選択的ストレッチ
まずはストレッチ方法から見ていきましょう。
先ほどから「選択的」といった言葉がありますが、
「他の部位の伸張を減らし、なるべくターゲットのみにストレッチをかける」
の意味合いです。
それでは選択的ストレッチのやり方を見ていきましょう。
①高さのある台でうつ伏せになり「ストレッチしない足」を地面につける。
*ストレッチしない足を地面につけることで、骨盤後傾へと誘導可能。
②骨盤が後傾していることを確認し「ストレッチする足」の膝を手で曲げる
「骨盤後傾する」ポイントを抑えることで、大腿直筋を効果的にストレッチすることができます。
理由は、
単純に膝を曲げるのみでは、大腿四頭筋の全てが関与しますが、骨盤を後傾させることにより「二関節筋である大腿直筋のみ」が選択的にストレッチされます。
普段から骨盤前傾の傾向にある方は、特に大腿直筋の筋拘縮が見られやすいので念入りに行いましょう!
股関節インピンジメントへのアプローチ2 コンプレフロス
次は「コンプレフロスを使った股関節へのアプローチ」です。
「コンプレフロスってなに?」
という方はこちらの記事を読んでください!
今回紹介するコンプレフロスでのアプローチ方法ですが「選択的」ではなく、股関節全体の動きを良くするイメージで行います。
「股関節後方組織」も動きの改善する効果もあるので、必ず取り入れるべきアプローチです。
「巻き方」と「アプローチ方法」についてはこちらの動画を見てください!
スクワット前にフロッシングを行うことで、
大腿直筋のみではなく、股関節全体に動きをつけることができます。
筆者の意見としては、
「股関節の怪我を防ぐためにも、必ずアップで取り入れるべき」と考えています。
股関節インピンジメント 解消方法まとめ
以上が、スクワットでの股関節詰まり感・痛みの原因筋へにアプローチ方法です。
「大腿直筋」は、日常生活で動きが悪くなりやすい筋肉で、骨盤の位置に大きく影響を与えます。
骨盤を前傾させ、腰痛の原因にもなります。
また、スクワットの詰まり感・痛みだけではなく、
「ベンチプレスのアーチを作る際の腰の痛み」の原因にもなります。
なので、積極的にストレッチを行い柔軟性を保つ必要があります。
コンプレフロスは股関節以外にも使用可能で、様々な関節の可動域向上、疼痛の軽減効果が期待できます。
*他の部位に関しては、今後紹介予定
また、股関節のインピンジメントを防ぐ方法として、
「股関節の頸部軸屈曲」という動作方法があります。
こちらの記事で解説していますので、是非ためしてみてください!
それでは今日はここまで!次回おたのしみに〜