【股関節インピンジメント】スクワットの痛みの原因と検査方法【FAI】

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今回は「股関節インピンジメント(FAI)」について書いていきます。

 

「股関節の詰まり・痛み」の原因はたくさんあり、過去の記事で

・スクワットでの股関節の正しい動かし方

・股関節の詰まり・痛みを取るチューブエクササイズ

・股関節の痛みに対してのストレッチ方法

を紹介してきました。

 

その中で”股関節インピンジメント”という言葉が何度か出ています。

筋、関節の動きは紹介していますが、

インピンジメントの原因になる「骨形態異常」については触れていませんでした。

 

「骨形態異常」は、股関節を構成する「寛骨臼」と「大腿骨頭」に起こり、スクワットで「股関節が詰まる・痛い」などの原因になります。

「骨形態異常」は、3つのタイプに分けることができ、

・「カムタイプ」= 大腿骨頭の骨形態異常

・「ピンサータイプ」= 寛骨臼の骨形態異常

・「ミックスタイプ」= 両方の骨形態異常

があります。

 

では、

「3つの骨形態異常の紹介」と、

「インピンジメントの原因となる筋へのアプローチ方法」

を2部に分け紹介していきます。

*股関節の骨の状態は、画像診断でしか判別することができませんが1つの知識として持っておいて損はありません。

 

 

股関節インピンジメントの原因となる 骨形態異常とは?

まずは「骨形態異常」について説明していきます。

骨形態異常は、”骨の形が何らかの原因で変化している”状態です。

その何らかの原因として、

・繰り返しかかる負荷

・先天性のもの(生まれつき)

が、主となります。

 

では、股関節に起こる「骨形態異常」の3つのタイプについて見ていきましょう。

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赤い部分に「骨が増えている状態」で、ここがスクワット中にインピンジメントを起こす可能性があります。

股関節の骨形態異常は「7割近くがピンサータイプ」だそうで、

ピンサータイプは女性に多く、

カムタイプは男性に多いとも言われます。

 

では、「股関節屈曲で起こるインピンジメント例」を見てみましょう。

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このように「股関節の屈曲」で、骨の増えている部分がインピンジメントを起こします。

ですが、

骨同士のインピンジメント例は意外と少ないようです。

*インピンジメント例のX線撮影で、骨が傷んでいる例がほとんどない。

 

「何がインピンジメントを起こしているのか?」というと、

「骨の増えている部分」と「筋」のインピンジメントが最も多いようです。

 

では実際に、「自分が股関節インピンジメントかどうか?」を確認するための検査方法を紹介します。

   

股関節インピンジメントを調べる検査方法

冒頭でも言いましたが、はっきりと股関節の状態を調べるのは、画像診断でしかできません。

ですが、

・インピンジメントを起こしているかどうか?

・インピンジメントを起こしやすい状態か?

ということは徒手検査でも十分判断できます。

 

3つの検査方法があり、1人でも出来る方法なので実際にやっていきましょう。

*今回のテスト方法はすべて「右股関節」 を対象に行います。

前方インピンジメントテスト

初めに「前方インピンジメントテスト」を行います。

この目的は、

「わざとインピンジメントが起こる方に動かして痛み・詰まりが出るか」を確認します。

方法は、

「股関節の屈曲+内旋」を、他動的に行います。

では、やり方を見ていきましょう。

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上向きで寝て、足はリラックスした状態で、手で動作を行い、骨盤が過剰に後傾しないように気をつけましょう。

この際に、股関節前面に詰まり・痛みがあれば、

インピンジメント陽性」となります。

 

ここではインピンジメントの原因が

・筋によるもの

・関節(骨形態異常)によるもの

などはまだわかりません。

 

わかっている点は

「インピンジメントを起こしているから、何かしらの対策を打たないといけない」ということです。

では、次の検査方法をみていきましょう。

   

股関節可動域テスト

次は「股関節の内旋可動域」を調べます。

先にやり方から見ていきましょう。

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なるべく膝同士が離れないようにしましょう。

「45°が理想の可動域」で、45°に満たない場合は

・股関節の関節包の柔軟性不足

・殿筋・外旋六筋などの筋の柔軟性不足

 の可能性が非常に高くなります。

 

筆者も恥ずかしながら45°には達していませんが、「フロッシング」や「後方組織のコンディショニング」を行うことで内旋45°付近まで可動域が広がります。

コンディショニング方法は、次回ご紹介予定です。

 

なので「内旋可動域の不足が原因」でインピンジメントを起こしているのであれば、

コンディショニングで改善可能ということになります。

 

「先にコンディショニングの方法が知りたい!」

という方はこちらの記事のストレッチが、可動域改善に効果的です。 

www.health--life.com

   

FABERテスト

最後は「大腿骨頭の緩さ」を調べる検査方法です。

先にやり方から見ていきましょう。

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①足を組むことで、股関節「屈曲+外転+外旋」位になります。

②膝を地面に近づけることで「強制的に外旋」 を強めます。

「股関節前面に痛みがあれば陽性」です。

 

初めに「大腿骨頭の緩さ」と言いましたが、

この検査でなにが起こっているのかを確認しましょう。

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このように「大腿骨頭が前に脱臼する」動きを見せることで、

・前方の臼蓋とインピンジメントを起こす

・前方の筋群とインピンジメントを起こす

といった原因になります。

 

これには3つの原因があり、

・大腿骨頭の前方の緩さ

・大腿骨頭(股関節)の後方組織の硬さ

・筋の支持不足

が大きく関与します。

 

この原因やアプローチについての解説は次回にしますが、先にアプローチ方法を知りたいという方は、こちらの記事のチューブエクササイズがオススメです。

www.health--life.com

   

スクワットの股関節インピンジメント検査 まとめ

 以上が、インピンジメントの原因となる「骨形態異常」の紹介と検査方法です。

 

骨の状態を変えることはできませんが、筋や関節の動きをコンディショニングで変えることは充分可能です。

なので、次回からは

・インピンジメントの原因筋に対してのアプローチ

・インピンジメントの原因の後方組織に対してのアプローチ

を紹介していきたいと思います。

 

過去記事でも紹介している

「チューブエクササイズ」「ストレッチ」で高い効果を得られるので、是非読んで試してみてください。

 

また、スクワット動作でインピンジメントを防ぐためには「股関節の頸部軸の運動」が大切になります。

こちらの記事で解説をしているので「スクワットのしゃがみ方」の参考にしてみてください。

www.health--life.com

 それでは今日はここまで!次回、おたのしみに!