前回に引き続き「スクワットの膝の痛み、ポキポキ音」について書いていきます。
前回記事の「膝の複雑な動きと痛み、ポキポキ音の関係」では「ニーインの癖がある」方に多いと言いましたが、今回は「膝窩筋(しっかきん)が原因」のものを解説していきます。
膝窩筋と膝の動きは密な関係があり、
スクワットで膝の痛み、ポキポキ音を改善するのに膝窩筋の働きは欠かせません
「膝窩筋の働きと膝の動きの関係」を理解するためには
・スクリューホームムーブメント
・ロールバック機構
この2つを知っておく必要があります。
前回記事で2つの解説をしているので、先に読んでもらうことをオススメします。
「膝窩筋」と膝の動きの関係とは?
まずは「膝窩筋」について見ていきます。
膝窩は(膝の裏)という意味で、膝窩筋は膝の裏にある筋肉です。
主な作用は
・膝関節の屈曲(曲げる)下腿の内旋(内に捻る)
・外側半月板を後方に引き込み、インピンジメントを防ぐ
・膝関節伸展位(膝伸展+外旋)時の「膝のロックを解除」する役割
の3つです。
ここでピンと来たでしょうか??
・ロールバック機構=膝屈曲(大腿骨後方移動)+下腿内旋
・スクリューホームムーブメント=膝伸展+下腿外旋での膝のロック
膝窩筋は「2つの膝の動きの仕組み」に深く関わっています。
(この2つはスクワット動作の関わりで細かく解説します)
膝窩筋が原因で膝裏の痛みが起こる理由
次に「膝裏の痛み」と「膝窩筋」です。
膝を曲げた際の痛みは「膝窩部インピンジメント」の可能性があります。
(*インピンジメント=挟み込み)
肩のインピンジメントは聞き慣れていると思いますが、膝裏でも同様にインピンジメントが起こります。
肩は棘上筋などの筋肉がインピンジメントを起こすことが多く、
膝裏は「半月板」がインピンジメントを起こします。
では「膝窩部インピンジメントの原因」を見ていきます。
上記画像のように
膝窩筋が働かないと「膝裏の痛みの原因」になります。
次に、スクワットにおいての「ロールバック機構」「スクリューホームムーブメント」と「膝窩筋の働き」について見ていきます。
スクワットで重要な膝窩筋の働きと、膝の痛みの原因
「膝窩筋とスクワットの関係」の前に、膝窩筋の作用と膝の動きのおさらいをします。
【膝窩筋の作用】
・膝関節の屈曲(曲げる)下腿の内旋(内に捻る)
・外側半月板を後方に引き込み、インピンジメントを防ぐ
・膝関節伸展位(膝伸展+外旋)時の「膝のロックを解除」する役割
【膝の動き】
・ロールバック機構=膝屈曲(大腿骨後方移動)+下腿内旋
・スクリューホームムーブメント=膝伸展+下腿外旋での膝のロック
では、これらの機能をスクワット動作と共に見てみます。
スタートポジションとスクリューホームムーブメント
スクワットのスタートポジションは膝を伸ばした状態でセットし「スクリューホームムーブメント(膝伸展+下腿外旋)」により膝がロックされ、安定性が高い状態を保っています。
そして
「膝伸展、下腿外旋のロックを外す」のが「膝窩筋の役割」となります。
つまり
「スタートポジション〜しゃがみ始める瞬間に膝窩筋が働かないと、ロックを解除できずスムーズなしゃがみが出来ない」ことになります。
スクワットのしゃがみとロールバック機構
スクワットのしゃがみ始め〜ボトムポジションまでは「ロールバック機構」により「膝屈曲+下腿内旋」の動きがセットで起こります。
そして
「膝窩筋」はロールバック機構の動きと同様に「膝屈曲+下腿内旋」の作用を持ちます。
つまり
膝窩筋が働かないことには、ロールバック機構も上手く作用せず
・しゃがみ始めの膝の痛み
・しゃがんだ際のインピンジメント
を起こす原因になります。
膝窩筋の動きを改善する方法
では、膝窩筋の動きをつける方法を紹介します。
1人では膝窩筋のみに動きをつけることは難しいので、膝の動きと共に「膝窩筋が働きやすいように誘導していく」方法です。
では方法を見ていきます。
このような形で「膝の屈伸運動に下腿の内旋運動」を誘導します。
GIFで一連の流れを見てみます。
ポイントは
・毎回膝を伸ばし切る
・膝の曲げ始めるタイミングで下腿の内旋を誘導(親指で押し込む)して、曲げてる最中は押し込みを緩めない
・左右とも20回繰り返す
スクワットと膝裏の痛み まとめ
以上が「スクワットと膝窩筋の関係」になります。
膝裏のケアなどは疎かにされがちですが、物凄く重要な部位です。
その他にも膝裏には
・ハムストリングスの停止
・腓腹筋の起始
などもあり、神経や足底にまで続く筋肉も存在します。
つまり、膝裏の動きが悪いと脚全体の動きに大きく影響が出ます。
脚全体のストレッチはこちらの動画で紹介しているので是非一緒にやってみてください!
それでは今日はここまで!次回、おたのしみに!
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