今回は、前回に引き続き「距骨(きょこつ)」へのアプローチになります。
前回記事に、「距骨と足首の硬さの関係性」について、解剖・骨格的に解説しているので、まだ読まれていない方は、先に読んでもらうと理解しやすいと思います。
前回のアプローチは「距骨を押し込むことで、動きを正す」といったことを行いました。
今回は「距骨が上手く動かない原因」となっている部分にアプローチしていきたいと思います。
距骨が動かない方の特徴として、
- 歩行中に「足裏・下腿」ばかり疲れる
- 深くしゃがむと「膝が内に入る」「かかとが浮く」
などがあげられます。
「距骨」の動きの悪さを解決する、「2つの方法」について紹介していきます。
それでは、見ていきましょう。
「距骨」と「足首の動き」についての簡単なおさらい
「距骨」は、足首の運動の中心であり、「足」と「下腿」をつなぐ、足首の動きに非常に大切な場所です。
その「距骨」の位置と、動きを簡単におさらいをします。
青色の部分が「距骨」になります。
「距骨」は簡単に触れる事ができ、左上画像の「赤丸印」に指を当ててみてください。
指を当てたまま、足首を「底屈」すると、ポコッと骨が触れるとおもいます。
それが「距骨」です。
逆に足首を「背屈」すると、「距骨は奥に潜り込む」動きをします。
この動きが悪いと、
「かかとをつけてしゃがめない」「足首の前に詰まり感やゴリゴリ音がなる」
といった状態になります。
前回は、この動きを改善する方法を紹介しましたが、
今回は「なぜそもそもゴリゴリなったり、動きがわるくなるのか?」という原因の1つである「長母指屈筋」という筋肉についてと、その状態を改善する「ストレッチ・マッサージ」などのアプローチについて解説します。
足首が硬い原因1 距骨を前方に押し出す「長母指屈筋」とは?
まずは、「長母指屈筋」とは、どこにあり、どんなんものなのか?
といった点を見ていきます。
青色:距骨
長母指屈筋:「腓骨の真ん中やや上〜足の親指の裏」に筋肉が付きます。
注目してもらいたいのが、右下画像の「距骨の後ろを通過する」といった点です。
この「長母指屈筋」が硬くなれば、「距骨を前方に押し出し」足首の「背屈の際に距骨が奥に潜り込めなくなる」といったことが起こります。
そうなると必然的に、足首の動きが悪くなり、「足首の硬さ」へと直結します。
そして、「長母指屈筋」は、「足の内側のアーチ(土踏まず)」を作ります。
なので「扁平足」という方は、特に「長母指屈筋」のケアが大切になります。
それでは「長母指屈筋」のケア(マッサージ・ストレッチ)方法を見ていきましょう。
足首の動きを良くする「長母指屈筋」のマッサージ
まずは、特に動きの悪くなりやすい「距骨の後ろ側を通過する手前の場所」に、マッサージをしていきます。
「長母指屈筋」の場所は、赤丸印を目安にしてください。
*内くるぶしのすぐ後ろには、「長趾屈筋」があります。
内くるぶしの、すぐ後ろに指を当て、足の指を曲げると「ポコッと」下から盛り上がりを感じるかと思います。
その盛り上がりの、もう1本後ろに指をずらした位置が、「長母指屈筋」です。
それでは、実際にやっていきましょう。
①足首をリラックスさせるために、足を組みます。
手はこのような形で、親指で「長母指屈筋」他の4本で、反対側を持ちます。
②先程説明した、「長母指屈筋」の位置を大体でいいので、親指と反対側の4本で挟み込みます。
③掴みながらしっかりと色々な方向に、動かしてください。
掴む力は「かなり強め」がいいです。
特に「奥に押し込み、手前に引く」「左右に動かす」という動作を念入りに行なってください。
しっかり力を入れて動かします。
30秒程度、動かしたら、次は「掴んだ状態のまま足首を動かす」ことをやっていきます。
足首は、回したり、底屈、背屈したりと様々な動きをしてください。
これも30秒程度で大丈夫です。
これで「マッサージ」は終了です。
感覚としては、どうでしょうか?
足首が動かしやすくなっていれば、しっかりと効果は出ています。
次に「ストレッチ」をしていきましょう。
足首の動きを良くする「長母指屈筋」のストレッチ
続いてストレッチについて見ていきましょう。
はじめに「長母指屈筋」は、
「腓骨の真ん中やや上〜足の親指の裏」に筋肉がついていて、足裏の内側のアーチを作っていると書きました。
なので、このストレッチでは「親指の裏〜足の土踏まず」にかけて、伸びている感覚を得られれば正解です。
それでは、実際にストレッチ方法を見ていきましょう。
①足首を固定
ストレッチ時に足首が動くと、上手く「長母指屈筋」にストレッチがかかりません。
②手首から握る
指先だけで、引っ張ってもストレッチをかけるのは難しくなります。
それだけ「強い力」が必要になるので、体重をうまく利用出来るように「手首から握ります」
③引っ掛ける
手首の根本で、親指を。
指先は足の裏まで引っ掛けるイメージで握ります。
④「長母指屈筋」にストレッチをかける
先程引っ掛けた手首で、赤矢印にしっかりと体重をかけ、体全体でストレッチを描けましょう。
必ず、足首は動かず、指のみ曲がるようにしてください。
そして、ピンクの部分の土踏まずに、伸びている感覚があればしっかりとストレッチ出来ています。
20秒程度キープして2~3回行いましょう。
「足首が硬い」 原因を解消する”ストレッチとマッサージ” まとめ
以上の2種類の”マッサージとストレッチ”が、「距骨」を前に押し出し、足首の硬さにつながる原因である「長母指屈筋」のアプローチ方法となります。
トレーニング前の、アップに入れることで「足関節の背屈可動域向上」が見込まれ、スクワットなどでは、動作自体の安定感が増すことになります。
また、日常的に「下腿や足裏に疲労がある」という方でも、足首の動きが変わることで、疲労軽減が見込まれます。
特に、道具もいず慣れれば簡単なので、積極的に行って見てください。
それでは、今日はここまで〜 次回、【ベンチプレス】肩が痛いのは「骨頭のズレ」が原因?治し方とストレッチ方法おたのしみに〜!