今回は、「肩峰下インピンジメント」に対して、即効性のあるチューブエクササイズについて紹介していきます。
肩を動かしたときに”ゴリゴリ”や”ポキポキ”といった音が鳴ったり、中には「痛み」や「引っかかり感」がある方もいると思います。
この「音」は、指をポキポキ鳴らすのとはワケが違い、絶対にあってはならない音です。
「ゴリゴリ音」や「ポキポキ音」が鳴っている状態で動かし続けると、初めは痛みがないですが、関節には大きな負担になっています。
そして、徐々に「痛み」や「引っかかり感」に変わっていきます。
それでも尚、肩を動かし続けると、
痛みで肩が挙がらなくなります。
その「ゴリゴリ音」や「ポキポキ音」の原因を緩和させる、
「肩のインピンジメントに対してのチューブエクササイズ」について紹介していきます。
- 肩のゴリゴリ音の原因 肩峰下インピンジメント症候群とは?
- インピンジメントの関節の詰まりを無くす 牽引エクササイズ
- インピンジメントを防ぎ、肩に安定性を与える 協調性エクササイズ
- 肩峰下インピンジメントを改善するチューブエクササイズ まとめ
肩のゴリゴリ音の原因 肩峰下インピンジメント症候群とは?
まずは音の原因となる「肩峰下インピンジメント症候群」について簡単に説明していきます。
「肩峰下インピンジメント症候群」とは、”肩峰下”と呼ばれるスペースに通過する「インナーマッスル」や「滑液包(クッション)」などが、肩の動作時に「骨と骨に挟み込まれる」ことを言います。
その「挟み込み(インピンジメント)」により、ゴリゴリ音や、引っかかり感、痛みなどの症状がでます。
肩が上手く機能すれば「肩峰下」のスペースは運動と共に、適切な位置関係に保たれるため「肩峰下インピンジメント」が起こることはありません。
「肩峰下インピンジメント」の原因として多いのが、
・筋の機能や、筋力の不均衡や柔軟性の低下
・関節自体の動きの悪さ
・肩以外の場所の問題
があげられます。
ですが「筋力の不均」や「筋が機能しているか?」
ましてや「肩以外の問題」となると、どこから手をつければいいかわからなくなります。
なので今回は、「肩峰下インピンジメント」の方の、
「誰でも当てはまる関節自体の動きの悪さ」に対してのアプローチをおこないます。
インピンジメントの関節の詰まりを無くす 牽引エクササイズ
まずは関節の動きを良くするために、チューブを使った牽引を行います。
「肩峰下インピンジメント症候群」を抱えている方は、例外なく関節の動きが悪く「肩峰下が詰まっている状態」になっています。
股関節と同じで、球関節が詰まっていると動きの制限となり、無理に動いてもインピンジメントを起こします。
なので「関節の詰まり」を改善する牽引を与えていきます。
今回牽引で使うチューブは、股関節で使ったものと同様こちらの「23kg〜57kgの強度」ものです。
*画像では緑色のチューブですが、現在同じ強度のチューブはオレンジ色になっています。
では、「チューブを使った牽引」をみていきましょう。
足の裏にチューブを引っ掛け、壁についた手を付き、上腕骨頭(三角筋中部の根元)にチューブを引っ掛けます。
まっすぐ立ち上がり、肩は頭より上の位置にします。
肩は中間位で、肩甲骨面に近い方向で挙げましょう。
ここまで挙げて痛みがある場合は、すこし下げても大丈夫です。
肩の位置は変えずに、体を前屈させましょう。
この状態で、「上腕骨頭」が「牽引方向」に引かれている感覚があればOKです!
もし、牽引方向に引っかる感じがなければ、
・チューブの引っけている位置
・手の位置や、肩の角度
・チューブの強度(結構強めがいい)
を見直してみてください。
20秒牽引し少し緩めて、また牽引を2~3セットおこないましょう。
セット毎に、肩の位置をすこし変えるのも良いです!
インピンジメントを防ぎ、肩に安定性を与える 協調性エクササイズ
次は、「つまり感を無くした肩に協調性をつける」エクササイズを行います。
関節だけに動きをつけても効果は少なく「広くなった可動域に対しての筋の協調性」を付けてあげることで、関節動作の安定感が生まれます。
特に、構造上動きの大きい肩関節などは重要なことです。
では、簡単にできる「協調性をあげるチューブエクササイズ」を紹介します。
今回使うチューブはこちらのものです。
長いチューブを持っている方は、折っても使えますが、強度は弱いものを推奨します。
②の際に軽く方にチューブの抵抗を感じる強度にします。
肩が内旋しないように、必ず親指を上に向けます。
(内旋で動かすとインピンジメントが起こりやすい)
Y字になるように肩を屈曲していきます。
痛みや引っ掛かり感の無いところまでで大丈夫です。
チューブの抵抗に対して、「肩外旋位」での反発しながら肩を動かしていくことで、肩の安定化を図るために インナーマッスルが活性化されます。
また挙げていくなかで、「胸を張る意識」 を持ってもらうことで、「肩甲骨・胸椎との連動」も向上するので、ベンチプレス前のウォーミングアップにも最適です。
10回2~3セット行いましょう。
肩峰下インピンジメントを改善するチューブエクササイズ まとめ
以上が、「詰まった関節に動きを与える方法」と「関節に協調性を持たす方法」になります。
これだけで、インピンジメントの症状が全て改善するのは難しいですが、ゴリゴリ音や引っかかり感が気になる方にはオススメのエクササイズです。
今回のメインは関節自体の動きの悪さについてですが、
最初に説明しました、
筋力の不均衡が気になる方は、こちらの記事を
肩以外の場所の原因を取り除くには、こちらの記事を
を参考にしてもらえると、怪我の回復や、怪我のしにくい肩作りが可能になります。
それでは、今日はここまで〜次回、おたのしみに!