今回は「ヒップヒンジ」を習得するための、練習方法について書いていきます。
「ヒップヒンジ」といえば
”脊柱を真っ直ぐに保ち、股関節主体で動作を行う事”を言います。
特に「デッドリフト」で重要な動作になり、
この動作がうまくできないと「腰の怪我」に繋がったり、股関節周りの大きな筋肉(殿筋・ハムストリングス)が上手く使えなくなります。
なので、
・デッドリフト(ベントオーバーローイング)で腰が痛い
・普段から股関節周りの動きが悪い
・太ももの前面(大腿四頭筋)ばかり疲労する
という方は、「ヒップヒンジ」の練習方法を取り入れ動きを改善してください!
- 【ヒップヒンジ】の正しいフォームとやり方
- 【ヒップヒンジ】練習方法1 ”股関節”を上手く使うための「お尻壁押し」
- 【ヒップヒンジ】練習方法2 ”腰痛”を防ぐ、脊柱を一直線に保つ「棒おじぎ」
- 【ヒップヒンジ】練習方法3 ”柔軟性”をあげるストレッチ「ジャックナイフ」
- 【ヒップヒンジ】練習方法 まとめ
【ヒップヒンジ】の正しいフォームとやり方
まずは「ヒップヒンジ」とはどんなものなのか?
という点について、画像と共に簡単に説明していきます。
「ヒップヒンジ」はこのような形で
”脊柱を真っ直ぐに保ち股関節主体で動作を行う”ことです。
ヒップヒンジがうまくできると。
右側赤丸の「殿筋・ハムストリングス」を活かすことができます。
「殿筋・ハムストリングス」は、”股関節の強力な筋肉”であるため、上手く使い鍛えることで「腰」への負担は格段に減らすことができます。
逆に「ヒップヒンジ」がうまくできない方は、
トレーニングで「腰」を痛める可能性が高くなります。
「ヒップヒンジ」の練習方法を見ていきましょう。
【ヒップヒンジ】練習方法1 ”股関節”を上手く使うための「お尻壁押し」
まずは「股関節を主体で動かす練習」からやっていきます。
では、早速見ていきましょう。
まずは壁から「拳1つ分」程度離れます。
次に「背筋を伸ばし、壁にお尻を押し付けるイメージでお辞儀」をしてください。
この”壁にお尻を押し付ける”という感覚を覚えていてくださいね!
次は、少しレベルアップします。
先程よりもう少し壁から離れます。
「靴1足分」程度でいいと思います。
「背筋を伸ばし、壁にお尻を押し付けるイメージでお辞儀」をしてください。
この時の注意点は、
先程より距離が遠いので「重心が後ろに偏りやすい」ということです。
「壁にもたれかかる形」にならないように注意してください。
では、次で最後です。
最後は「靴1足半分」くらい壁から開けましょう。
重心を保ったまま「背筋を伸ばし、壁にお尻を押し付けるイメージでお辞儀」をします。
この時に
「ハムストリングスの伸ばされている感覚」を感じましょう。
「ハムストリングスの伸ばされている感じ」は、最も重要なポイントです。
もし、ハムストリングスのストレッチが感じられない方は、
・膝・腰が強く曲がっていないか?
・重心は、体の真ん中にあるか?
という点を確認してみてください。
「股関節主体」の動かし方がわからない!
という方は、股関節の前側に指を当てて壁側に押し込んであげてください。
このときも必ず「背中は真っ直ぐ」を意識しましょう。
【ヒップヒンジ】練習方法2 ”腰痛”を防ぐ、脊柱を一直線に保つ「棒おじぎ」
次に「ヒップヒンジ」動作で大切な『脊柱’(背中)を一直線に保つ』という練習を紹介します。
この練習方法は腰痛が無い方でも、自分の脊柱の動きの癖を見分ける」にも非常に有効ですので、是非お試しください!
では見ていきましょう。
まずは、100均でも売っている「つっぱり棒」を用意します。
筆者は、右の棒を使っていますが突っ張り棒で問題ありません。
右側写真のように、背中の中心に棒を添わせ手でおさえます。
両手の抑えるポイントは「片手で後頭部」もう一方の「片手で骨盤」を軽く押さえます。
*骨盤は、おしりの穴から、拳1つ分くらい上が目安です。
その2点に棒が接地すると自然と「肩甲骨の間」にも棒が接地していると思います。
右側の赤丸の「後頭部・肩甲骨の間・骨盤」から棒が離れないように、これから練習していきます。
それでは実際に「棒おじぎ」をしていきます。
動作としては、先程の
「壁にお尻を押し付ける」+「棒が、ずれないようにする」です。
このときも赤丸の3点は離れること無く、股関節を後方に押し込むことで、
「脊柱をまっすぐ、ハムストリングスにストレッチ感」
を感じることができます。
この動作が、そのまま「ヒップヒンジ」となります。
では、「失敗例」も見てみましょう。
①後頭部が浮く
これは、「頚椎の位置」が悪い状態なので、少しあげる意識を持つだけで大丈夫です。
②骨盤が浮く
これは③も同じなのですが
ヒップヒンジで大切な「股関節主体」の動きができていません。
「骨盤(後弯)」と「腰椎(屈曲)」が「股関節の動きの代償」をしています。
背中が丸くなっているのと、股関節を上手く使えなていないため「デッドリフトやベントオーバーロウ」で腰を痛める例となります。
③両方浮く
もはや「背中を丸めている」運動になります。
大きな怪我の原因になりますので「改善方法」を見ていきます。
「棒おじぎ」の失敗例を改善する重要なポイント
「ここまで色々と意識をしてやってみたが、一向に上手くできない!!」
「練習しているが感覚がつかめない!!」
という方に、”柔軟性が低い”という可能性がおおいにあります。
特に「ハムストリングス」の柔軟性の低下が考えられます。
そんな「ヒップヒンジ」動作の妨げになる、「ハムストリングス」の柔軟性を改善するストレッチを紹介します。
【ヒップヒンジ】練習方法3 ”柔軟性”をあげるストレッチ「ジャックナイフ」
「ハムストリングス」の柔軟性をあげる
「ジャックナイフストレッチ」を紹介していきます。
このストレッチは、即効性も非常に高いので、是非お試しください。
まずは、皆さん一度はやったことがある、
「膝伸ばしたままどこまでさわれるか?」をやってみてください。
この感覚や位置を覚えていてくださいね。
それでは「ジャックナイフストレッチ」をやってみます。
①「膝」と「胸」をくっつける
この体勢を取るのがしんどい方は椅子に座ってでも大丈夫です。
「膝」と「胸」は、動作の最後までつけっぱなしなので離さないようにします。
②足首を握る
手をかかと側から回し「親指で外くるぶし」「人差し指で内くるぶし」に引っ掛け、握ります。
これも離すことはないのでしっかりと握っていてください。
③膝を伸ばしハムストリングスにストレッチをかける
ここで重要なポイントが「膝を伸ばす」ということです。
「ひざを伸ばす」ではなく「お尻をあげる」意識だと前にコケます!!
しっかりと「膝をのばして」ストレッチをかけてください。
そして呼吸を忘れずに行いましょう!頭に血が上ります!
次に失敗例も見ます。
右側の「ジャックナイフストレッチ」成功例と、左側の失敗例です。
左上は「膝と胸」が離れています。
左下は「最初から膝が伸びている」状態です。
いずれにせよ「ハムストリングス」のストレッチ効果を低下させるので、注意が必要です。
「ジャックナイフストレッチ」をまとめると
- 「膝と胸」を離さず「足首」をしっかり握る
- そこから「膝を伸ばし」ハムストリングスのストレッチ
- 15~20秒程度キープし2~3セットおこなう。
正しくできたら、はじめにやった
「膝伸ばしたままどこまでさわれるか?」をもう一度おこなってみてください!
これで大きく柔軟性が変われば、ハムストリングスの硬さがかなり影響があります。
*変化がなければ上半身の柔軟性の問題が考えられます。
殿部の筋肉の硬さも「ヒップヒンジ動作の成功」と関与するため、こちらの記事のストレッチもお試しください。
【ヒップヒンジ】練習方法 まとめ
「ヒップヒンジ」を上手く出来ることは、トレーニングにおいて、怪我の予防に大きく関わります。
健康な体の状態をキープするには、股関節を大きく動かす柔軟性もとても大事です。
今回ご紹介した「3つの練習方法」をトレーニング(特にデッドリフト・ベントオーバーロウ)前のアップに是非取り入れてみてください。
それでは、「ヒップヒンジ」について最後にまとめます。
- 脊柱はまっすぐに、股関節主体で動かす。
- 重心位置は、体の中心で保つ
- 柔軟性が足りない方は、ハムストリングス、臀部の柔軟性をあげる
以上が大切なポイントとなります。
それを活かして、前回ご紹介しました「ルーマニアンデッドリフト」も是非、”ハムストリングス”の強化と、柔軟性向上のため、メニューに取りいれてみてください!
それでは、きょうはここまで〜 次回、【オーバーヘッドプレス】”骨格”からみるフォームと肩の強化【ミリタリープレス】お楽しみ!