今回は、デッドリフトにおいて重要な「広背筋・殿筋・ハムストリングスの連動」を高める方法について紹介していきます。
体の後面にある筋肉(広背筋・殿筋・ハムストリングスなど)の連動は、
「ポステリオルチェイン」と呼ばれます。
この「ポステリオルチェイン」をうまく使うことが、デッドリフトで怪我をせず、身体を強化するのに重要になります。
逆に「ポステリオルチェイン」をうまく使えない場合は、
・腰を痛める
・腰ばかり疲労感が残る
・フォームが崩れる
といったことが起こります。
ですが「ポステリオルチェイン」のきっかけを知らないと、なかなか改善しようがありません。
なので、今回は「ポステリオルチェイン」の感覚を掴みやすくする、チューブを使ったウォーミングアップについて紹介していきます。
*こちらの記事に「ポステリオルチェインと運動連鎖」について、詳細と例を書いていますので、必ず先に読んで頂くことをオススメします。
- 広背筋・殿筋が連動することで起こる「腰圧とデッドリフト」
- 広背筋・殿筋・ハムストリングスを刺激する 【プルオーバーヒップリフト】
- 広背筋・殿筋・ハムストリングスの連動を高める 【ワンレッグプルオーバー】
- 【デッドリフト】広背筋・殿筋・ハムストリングスを意識する2つの練習方法 まとめ
広背筋・殿筋が連動することで起こる「腰圧とデッドリフト」
まずは、広背筋と殿筋の連動で起こる「腰圧」について説明していきます。
「ケーブルプルスルー」の記事を見ていただいた方は、復習がてら見てくださいね。
広背筋と殿筋は、クロスするような形で連動し、
「右広背筋=左殿筋」「左殿筋=右広背筋」といった関係になります。
次に「筋繊維の方向」をみてみましょう。
広背筋と殿筋の筋繊維の方向は、「腰で交わる」ように走行しています。
この「2つの筋が連動して収縮」すると、「腰圧」が高まります。
この「腰圧」は、トレーニングでいう「腹圧」と同じですので、「腰を守ってくれるもの」になります。
デッドリフトでは、「腰圧」を高めることが、怪我の予防に繋がります。
ですが「広背筋と殿筋の連動する感覚」を知らないと、そもそも「腰圧」がなんのことかわからないと思います。
なので、
・広背筋・殿筋の連動を掴む「プルオーバーヒップリフト」
・ポステリオルチェインの感覚を掴む「ワンレッグプルオーバー」
の2種類のエクササイズを紹介していきます。
*エクササイズ名は、筆者が勝手に付けたものです。
広背筋・殿筋・ハムストリングスを刺激する 【プルオーバーヒップリフト】
まずは「広背筋・殿筋・ハムストリングス」を同時に収縮する「プルオーバーヒップリフト」を見ていきましょう。
一連の動作をGIFで確認します。
これは「右の広背筋+左の殿筋・ハム」の連動収縮の練習方法です。
広背筋・殿筋・ハムストリングスを同時に収縮させ、連動させます。
動きとしては、
・広背筋収縮=肩関節の伸展
・殿筋・ハム収縮=股関節の伸展
の伸展動作を、同時に行います。
動きは、「プルオーバー」と「ヒップリフト」を足した運動です。
では、画像と共に詳細解説していきます。
①チューブを太もも真ん中辺りの位置で、動かないところに結び寝る。
②刺激を入れる広背筋の方でチューブを握り、クロスする殿筋・ハムの膝を立てる
③「肩関節・股関節の伸展」を同時に行い、トップポジションで、
広背筋・殿筋・ハムストリングスが「最大収縮」するイメージで行う。
*膝はトップポジションで屈曲90度になるように曲げておく。
動作中に「腰に痛み」や「起立筋に疲労」がある方は「腹圧を高める意識」 も加えると体の後面の筋肉を使いやすく、動作自体が安定しやすくなります。
そして「両足設置のヒップリフト」と比べて不安定で荷重が多くかかるので、ハムストリングスの関与が強くなりますが、問題はありません。
反対側も含め、10回を2セット程度行いましょう。
広背筋・殿筋・ハムストリングスの連動を高める 【ワンレッグプルオーバー】
次はケーブルを使った「ワンレッグプルオーバー」を行います。
*チューブでも代用可能。
まずはGIFをみてみましょう。
先程と違い、広背筋・殿筋・ハムストリングスを同時に「ストレッチ〜収縮」の流れになります。
・広背筋収縮=肩関節の伸展
・殿筋・ハム収縮=股関節の伸展
の動きは変わりませんが、その前に「伸張」が加わります。
動作としては「ヒップヒンジ」と「プルオーバー」の組み合わせです。
では、画像と共に詳細解説していきます。
①チューブ・ケーブルの手を上に伸ばした位置にセットする。
②左足で立ち、右手でケーブルを握る
③ヒップヒンジ動作を行い、ハムストリングスの伸張を感じる
*膝はほとんど曲がらないようにします。
④先程と同じ「肩関節・股関節の伸展」を同時に行い、トップポジションで、
広背筋・殿筋・ハムストリングスが「最大収縮」するイメージで行う。
*最後は直立した形になり、デッドリフトのロックアウトをイメージ
10回2セット程行いましょう。
「伸張〜収縮」の刺激を常に感じることができていれば、かなり感覚は良くなっていると思います。
「肩関節伸展」は、腕で引っ張らないように。
「股関節伸展」は、体幹の伸展で代償しないように気をつけましょう。
【デッドリフト】広背筋・殿筋・ハムストリングスを意識する2つの練習方法 まとめ
以上が「広背筋・殿筋・ハムストリングスの連動をあげる練習方法」になります。
デッドリフトを怪我なく行うためには、ポステリオルチェインは必ず必要となります。
「腰ばかりに頼ってしまう」
という方は、特に意識して練習してみてください。
また、ポステリオルチェインをうまく使うためには、
「バーの遊びを取る」ことも重要となりますので、こちらの記事も参考にしてください。
今回の練習方法が簡単に感じた方は、
「ルーマニアンデッドリフト」も、次のステップへとても良い練習になるので試してみてください。
「ポステリオルチェイン」の重要性をより理解することが出来ます。
それでは今日はここまで!次回、おたのしみに〜