今回は「肘の外側、前腕の痛み、しびれ、脱力感」について書いていきます。
「肘の外側〜前腕の痛み、しびれ、脱力感の原因」として
・ベンチプレスや、肘を曲げるアームカールなどのトレーニング動作
・投球動作や、テニスのサーブ動作
・手の甲を腰に当てる
これらの動作で症状が出ることが特徴的で「筋皮神経が症状の原因」である可能性が高くなります。
筋皮神経から起こる「肘の外側の痛み、しびれ、脱力感」の原因や、改善のためのリハビリ方法について紹介していきます。
筋皮神経障害 の原因となる「烏口腕筋」とは?
筋皮神経障害(肘の外側の痛み、しびれ、脱力感)の原因の1つに「烏口腕筋(うこうわんきん)」があげられます。
「烏口腕筋と筋皮神経」について見てみます。
「烏口腕筋」は上腕二頭筋の奥にある筋肉で、烏口腕筋を貫通する形で「筋皮神経」が通ります。
烏口腕筋を通過後は「前腕外側皮神経」に枝分かれして「肘の外側〜前腕」を通ります。
つまり「肘外側の痛み、しびれ、脱力感」は、烏口腕筋を貫通する筋皮神経が絞扼され、その末端にある「前腕外側皮神経」に症状が出る。
ということが起こっています。
では実際に「烏口腕筋」を通過する「筋皮神経」が原因で「前腕外側皮神経」に症状が出ているのか?を確かめる検査方法を紹介します。
「筋皮神経障害」「前腕外側皮神経障害」の検査方法
神経症状の原因が烏口腕筋にあるかを確認します。
方法としては3つあり、
・結帯動作(手の甲を腰に当てて)症状があるか
・烏口腕筋の圧痛
・上腕二頭筋腱の圧痛
これらを検査を画像で紹介します。
いずれかで症状がでたり、圧痛がある場合は「筋皮神経障害」「前腕外側皮神経障害」の可能性がかなり高くなります。
もう一つ気をつけたいのが「テニス肘(上腕外側上顆炎)」との鑑別です。
「筋皮神経障害」は、テニスのサーブを打つ動作や野球の投球動作でも起こりやすく、肘の外側の痛みが神経の痛みなのか、競技動作で起こっているのかを判断することが必要です。
「テニス肘(上腕外側上顆炎)」と「筋皮神経障害」の大きな差は、
・上腕外側上顆に圧痛があるか?
・手首背屈、中指伸展で痛みがあるか?
この2つの検査をすることで、
「2つの検査で痛みがある」場合は「テニス肘」の可能性が非常に高く、
「2つの検査で痛みがない」場合は「筋皮神経障害」の可能性が高いと言えます。
最後に「筋皮神経障害」に対してのリハビリ方法を見ていきます。
【筋皮神経障害】肘の外側、前腕の痛みとしびれを改善する方法
リハビリ方法は
・烏口腕筋に対してのマッサージ
・筋皮神経の動きの改善
この2つになります。
烏口腕筋のマッサージ
烏口腕筋を直接指で触ろうとすると「近くを通る神経」を圧迫する可能性があります。
なので、道具を使ってマッサージすることをオススメします。
一番オススメは「振動フォームローラ」です。
振動はなくとも良いですが、ある方が高いマッサージ効果を得られます。
実際のフォームローラの当て方を見ていきます。
安い振動フォームローラーも売っていますが、振動がかなり弱く効果が薄くなる可能性が高いので「ドクターエアー ストレッチロールS」が、筆者の使用経験から最もオススメです。
筋皮神経の動きの改善方法
筋皮神経は「肩関節、上腕、肘の前方」を通ります。
神経の走行から
・肩関節「伸展」
・肘関節「伸展」
・前腕「回内」
することで「筋皮神経を伸張」することができます。
動きを改善するためには、筋皮神経を「弛緩(緩める)→伸張(伸ばす)」を繰り返します。
では方法を画像で見ていきます。
GIFのようなテンポで「20回2セット」行いましょう。
二頭筋や烏口腕筋の辺りが伸びている感覚があれば良いです。
この動きでしびれや痛みが出る場合は、肩の位置を体と平行に近づけ、肩の伸展角度を小さくしてください!
肘の外側、前腕の痛みとしびれの原因 まとめ
以上が「筋皮神経障害、前腕外側皮神経障害」になります。
烏口腕筋を通過する筋皮神経は、アームカールなどの「肘を曲げるトレーニング動作」を繰り返し、ケアをしないことで多く見られるので症状が当てはまる方は、しばらく肘を曲げるトレーニングを中止し、ケアを優先してください。
また、肩が前方に変位(巻き肩など)していると、ベンチプレス動作で烏口腕筋が過剰に引っ張られ、症状の原因になるのでこちらのストレッチ等をベンチプレス前に取り入れてもらうことをオススメします。
それでは今日はここまで!次回、おたのしみに!
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