【肩の痛み対策】ゴリゴリ音を解消するための肩甲下筋のトレーニングとストレッチ

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今回は肩の痛み改善に必要な「肩甲下筋の重要性」を解説していきます。

 

肩甲下筋が上手く働かないと

・肩を挙げた際の痛み

・動かしたときのゴリゴリ音や詰まり感

・肩が抜けそうになる

などの症状が見られ、特に胸のトレーニングを好んで行う方に多く見られます。

 

上記の症状は放置で改善することは少なく、逆に悪化する可能性もあるので

・肩甲下筋を知るための解剖学

・肩の痛みやゴリゴリ音との関係性

・改善のためのエクササイズとストレッチ

の流れで改善方法を紹介していきます。

 

 

肩甲下筋の解剖学

まずは肩甲下筋の位置を確認します。

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肩甲骨の肋骨面から上腕骨の前方に付く筋肉で、「肩を内に捻る(赤矢印)」作用と「肩が前方に抜けないように安定化」させる作用があります。

 

他に肩関節の内旋作用を持つ筋は、ベンチプレスの主働筋の「大胸筋」などが挙げられますが、同じ内旋でも筋肉の起始〜停止から少し働きが異なります。

 

【正面から見た筋】

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【上から見た筋】

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同じ「肩関節内旋」の作用でも働きが大きく変わります。

この違いから、肩甲下筋がうまく働かないことで起こる「肩の痛みやゴリゴリ音」について見ていきます。

 

肩の痛みやゴリゴリ音と肩甲下筋の関係

肩の痛みやゴリゴリ音は「※肩のインピンジメント」を起こしている可能性が高く、その理由の1つに「肩のインナーマッスルが機能していない」ことが挙げられます。

※上腕骨と肩峰で挟み込みや衝突が起こり痛みの原因

 

その中でも、ベンチプレス等の胸のトレーニングばかりしていると起こりやすいのが「上腕骨頭の前方変位」で、先程見た大胸筋の作用に当てはまります。

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上腕骨頭の前方変位は「本来あるべき肩の位置がズレている」状態なので、肩のインピンジメントを助長し悪循環が生まれます。

 

その「上腕骨頭の前方変位」を防ぐために必要なことは、

①肩甲下筋がしっかりと働いている

②肩関節後方の柔軟性が確保されている(後述)

この2つのポイントが重要です。

 

①は肩関節内旋の作用の中に、上腕骨頭を関節に近付ける役割があり「棘上筋・棘下筋・小円筋」と協調して働くことで、インピンジメントを防ぐ重要な要素です。

 

同じ肩の「内旋」でも

・大胸筋が優位に働く→上腕骨頭の前方変位を助長

・肩甲下筋が働く→肩関節を安定させる

大きな違いが見られるので、次に肩甲下筋の働きの検査方法を紹介します。

 

 

肩甲下筋の検査 リフトオフテスト

まずは肩甲下筋の筋力検査「リフトオフテスト」を行います。

 

【やり方】

①手の甲を腰に当てる

②手の甲を腰から離す(肩関節の内旋)

※肩や肩甲骨が大きく動かないように注意する

③拳1つ分程離すことができればOK

※2人1組で出来る場合は、腰から離す力の強さもチェック

 

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筋力検査を行ったあと、リフトオフテストの姿勢で「どこにも窮屈感はないか?」を確認します。

この姿勢は「結帯動作」といい、肩周りの柔軟性が低いと窮屈感があるはずです。

 

この際にそもそも結帯動作が出来ない場合は「肩関節後方の柔軟性が低下」していることが多く、↓で紹介している「上腕骨頭前方変位」の原因となります。

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また、肩〜胸の前側にかけて窮屈感や痛みがあれば、「小胸筋」を痛めている可能性もあり、胸を張って同じ症状がある場合は要注意です。

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肩甲下筋の柔軟性検査

結帯動作が問題ない場合は「肩甲下筋の柔軟性」を検査します。

 

肩甲下筋が硬いと、肩関節外転・外旋動作が制限されます。

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参考画像の可動域を確保できるかを確認します。

 

リフトオフテストで筋力が不十分→肩甲下筋のトレーニング

参考可動域まで届かない→ストレッチ

これらのリハビリを行うと良いので、順に紹介します。

 

 

肩甲下筋のトレーニング

肩甲下筋は2つの繊維に分かれるので、2種類のトレーニングを行います。

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【1stポジション 内旋】 上方線維

①チューブを柱にくくり、少しテンションがかかる位置まで離れる

②肘を90°曲げて脇腹につける

③手でお腹をタッチするようにチューブを引く(肩の根本から捻るイメージ)

④15~20回を2セット行う

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【2ndポジション 内旋】 下方繊維

①チューブを柱の下にくくり、上向きで寝る

②肩外転90°、肘屈曲90°にセットする

③手のひらを床に付けるようにチューブを引く(肘は動かさない)

④15~20回を2セット行う

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肩甲下筋のストレッチ

ストレッチもトレーニング同様に2種類のポジションで行います。

 

【1stポジションストレッチ】

①脇腹に肘をつけ、前腕と体を真っ直ぐのまま手を柱に当てる

②柱側の足を少し前に出し、体を柱と反対側に捻る

※腕より体が少し前に出る

③肩甲下筋の辺りに伸張感があれば20秒1セット行う

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 【2ndポジションストレッチ】

①柔軟性検査と同じ姿勢を取り、柱に前腕を当てる

②柱側の足を少し前に出し、体を柱と反対側に捻る

※腕より体が少し前に出る

③肩甲下筋の辺りに伸張感があれば20秒1セット行う

 

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どちらのストレッチも肩の回旋(捻り)を勢いよく行うと、肩を痛める可能性があるのでゆっくりと行ってください。

 

 

肩のゴリゴリ音と痛みの改善 まとめ 

以上が「肩甲下筋と肩の痛みの関係」になります。

 

肩甲下筋は、同じ内旋の作用を持つ大胸筋とは大きく違った働きがあったり、前方の安定性を強化してケガ予防には欠かせない筋肉です。

 

トレーニングを続けていると肩の外旋筋力を鍛える方は多いと思いますが、肩甲下筋も同様に必要なので、特にリフトオフテストがうまく出来ない場合はトレーニングをしっかりと行いましょう。

 

 

また、今までの記事で解説している通り

・肩甲上腕関節を安定させること

・肩甲胸郭関節を安定させること

・適切な柔軟性を保つこと

これらも肩の怪我を減らすためにとても重要です。

 

肩の怪我はどれか1つが原因のことは少なく複合的に関わってくるので、よければ下記記事も合わせて読んでみてください。 

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